作:中川ひろたか 絵:柴田ケイコ 出版:金の星社
カピバラがだるまさんがころんだを始めました。
普段はあんなに動かないカピバラが、
躍動感たっぷりに動きます!
あらすじ
6匹のカピバラがだるまさんがころんだを始めました。
はじめの一歩で飛び出すカピバラ。
「だるまさんがころん・・・」で、楽しそうに踊りだします。
そして「だ」で、止まります。
もう一度「だるまさんがころん・・・だ」
並んで止まったカピバラでしたが、一番後ろの1匹が残念ながらよろけてしまいました。
こうして5匹になりました。
「だるまさんがころんだ」で、おしりを突き出したポーズで止まるカピバラ。
でも、1匹がぐらついてしまい、これで4匹。
次の「だるまさんがころんだ」で、力を入れて踏ん張るポーズ。
おっとっと、1匹が踏ん張り切れず、残り3匹。
1匹ずつ減っていくカピバラですが、最後まで残るのはどのカピバラなのでしょう?
カピバラたちは、まだまだ、かわいいポーズを見せてくれますよ。
『カピバラのだるまさんがころんだ』の素敵なところ
- カピバラたちのかわいすぎるだるまさんがころんだ
- 1匹ずつ減っていくカピバラ
- 最後の最後に主役登場!?
カピバラたちのかわいすぎるだるまさんがころんだ
この絵本のなにより目が釘付けになってしまうところは、カピバラたちのだるまさんがころんだをする姿でしょう。
もう、かわいすぎるのです。
そもそも、面長で、胴がぽってりしたデザインだけでもかわいいのに、だるまさんがころんだでする動きやポーズもさらにかわいい。
こうなったら、子どもたちも、
「かわいいー!」
と言うしかありません。
特に、ほぼ閉じっぱなしの目から漂う癒しの波動に心が温まることでしょう。
ただ、かわいいだけじゃなく、躍動感たっぷりでおもしろいのも、この絵本の魅力です。
「だるまさんがころん・・・」で、両手を揺らしながら歩き回る姿は、まるで花畑の妖精のよう。
動物とは思えないゆるさを見せつけてくれます。
さらに、そこからの「だ」で止まるポーズのバリエーション。
手をつないでみたり、列車のようにつながってみたり、踏ん張って力こぶを出してみたりと、様々な動きを見せてくれます。
そのどれもが、子どもの心にジャストフィット。
かわいさとおもしろさで、
「フフッ」と吹き出したり、
「なにこのポーズw」と大笑いしたり、
止まるたびに大盛り上がりなのでした。
この、カピバラたちが躍動感たっぷりに動き回りポーズをとる、かわいすぎるだるまさんがころんだが、この絵本のとても素敵なところです。
きっと、本物のカピバラを見たことがあれば、そのギャップでさらにおもしろくなりますよ。
1匹ずつ減っていくカピバラ
そんなカピバラのだるまさんがころんだですが、見た目のゆるさとは裏腹に、意外とルールは厳密です。
ちゃんと、動いたカピバラは、退場させられ、1匹ずつ減っていくのです。
これがゆるさの中に、臨場感を生み出していておもしろい。
カピバラが動くたび、子どもたちから、
「あ!動いちゃった!」
「あと3匹だ!」
「どうなっちゃうの~」
と、本当にだるまさんがころんだをしている時のような反応が返ってきます。
その後も、「あ!また動いちゃった!」「あと2匹!」と、物語が進み、数が減っていくごとにドキドキが増していくのです。
この、動いてしまい、数が減っていくという繰り返しの、本当のだるまさんがころんだとリンクするハラハラ感も、この絵本のとてもおもしろいところです。
見た目のゆるさと、ゲームの緊張感との、絶妙なギャップが癖になること間違いなしです。
最後の最後に主役登場!?
さて、こうしてゲームが進み、ついに最後の1匹になったカピバラ。
子どもたちも、「この子が優勝だ!」とゲームの決着に嬉しそう。
・・・が、ここで終わらないのがこの絵本。
1匹になっても、まだだるまさんがころんだは続くのです。
「まだやるの?」と子どもが困惑する中、突拍子もなく空からあるものが降ってきます。
そして・・・
この、急なドタバタ感とともに、終わる最後もこの絵本のとてもおもしろいところとなっています。
最後に振ってくるものは、まさにカピバラを差し置いて主役とも呼べるもの。
ドタバタ感と合わせて、その言葉遊びのようなおもしろさも、なんとも素敵な演出だなぁと思わせてくれるにくいところです。
二言まとめ
カピバラたちのゆる~く癒される姿と、動いたら退場していくという緊張感の絶妙なバランスが癖になる。
「こんなに躍動感あふれるカピバラは見たことない!」と思わせてくれるカピバラ絵本です。
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