ピアノはっぴょうかい(4歳~)

絵本

作:みやこしあきこ 出版:ブロンズ新社

ドキドキと緊張が止まらない発表会。

みんなに見せるというのはいつもと全然違います。

そんな時、緊張せずにやるためには・・・。

あらすじ

今日はももちゃんの、初めてのピアノ発表会です。

その日演奏する子どもたちが舞台裏に集まっています。

先生は「いつものように弾けばいいからね」と言いますが、ももちゃんの胸はドキドキし始めました。

二番目の子がステージに行き、ももちゃんは心の中で「大丈夫、大丈夫!」と繰り返します。

すると、足元から「大丈夫、大丈夫!」という小さな声が。

見てみると、子ネズミがいました。

子ネズミは「あたしたちも発表会をしているから見においでよ」と言います。

ももちゃんが順番を待っていることを伝えると、「時間はあるから大丈夫」というので、ついていくことに。

舞台袖の奥に小さなドアがあり、そこを抜けるとネズミたちの舞台があり、観客席にはネズミのお客さんがたくさん座っています。

ネズミの司会者が挨拶すると、サーカスが始まりました。

次に手品、さらに楽器の演奏と歌へと続きます。

そして、バレリーナが登場し、天井から垂れ下がったひもに吊られて、客席の上を踊ります。

その時、ひもがほどけて、バレリーナが真っ逆さまに落ちてしまいました。

でも、落ちたところはももちゃんのスカートの上でした。

バレリーナは慌てて起き上がるとお辞儀をし、ももちゃんは面白くてけらけらと笑いました。

そうこうしていると、隣から「大丈夫、大丈夫」という声が。

それは最初の子ネズミでした。

これから舞台で歌うのに「うまく歌えなかったら・・・」と緊張していたのです。

そんな子ネズミにももちゃんが言いました。

「一緒に出てあげるから大丈夫!」

すると、子ネズミの顔がパッと明るくなりました。

子ネズミはうまく歌えるのでしょうか。

また、ももちゃんは発表会でピアノを弾けるのでしょうか。

『ピアノはっぴょうかい』の素敵なところ

  • 発表会前特有のドキドキ感や緊張が伝わってくる
  • ネズミたちの不揃いで楽しい発表会
  • 発表会に出る時に大切なこと

発表会やみんなの前で何かをする時の独特の緊張感。

喉が渇き、持っているものに力が入り、顔がこわばる独特の感覚。

それがももちゃんの姿を通して、痛いほどに伝わってくるのがこの絵本。

経験した子は「わかるわかる」「ドキドキするよね」と共感します。

抑えようとすればするほど、ますますドキドキしてきます。

そんな中、まさかの発表会のお誘いがありました。

それはネズミの発表会。

ネズミの発表会では、「出る人も見る人も楽しく」を合言葉に発表が進んでいきます。

すごいサーカスも手品も、不揃いなダンスも全部楽しむネズミたち。

上手く出来なくても、楽しむことが大事だと伝わってきます。

そして、楽しくなってくると緊張なんて忘れてしまうことも。

最初緊張で顔がこわばっていたももちゃんと、子ネズミ。

二人の発表会での姿を通して、発表会に出る前に大切なことが伝わってきます。

きっと二人の表情が何よりの答えなのでしょう。

緊張のドキドキと楽しいのワクワク。

その両方が伝わってくる、発表会の前に大切なことを思い出させてくれる絵本です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました