どうしたの?へんてこライオン(4歳~)

絵本

作:長新太 出版:小学館

色々なものに変身できるへんてこライオン。

でも、変身するものは予想外のものばかり。

自由過ぎる発想力が、大爆発する絵本です。

あらすじ

男の子のしんくんがテクテクやってくると、ライオンがいました。

ライオンは髭を引っ張っています。

ライオンは髭を整えると「いってきまーす」と出かけていきました。

そうしたら・・・。

ライオンが、しんくんのお父さんになりました。

しんくんが「お父さん行ってらっしゃーい」と言うと、ライオン父さんが「早くしないと会社に遅れる」と言って、ドタドタとかけていきました。

女の子のゆうちゃんが、ポコポコ歩いていたら、ライオンがいました。

ライオンはお尻をあげて、ブツブツ言っています。

ゆうちゃんが「なーに?」と聞くと、「もっとお尻が高くならなくてはいかん」と言いました。

ライオンはどんどんお尻を高くしていきます。

そうしたら・・・。

とても高いビルになりました。

ゆうちゃんはビルライオンの中に入って、エレベーターで上の方へ行きました。

へんてこライオンが次に変身するものは・・・?

『どうしたの?へんてこライオン』の素敵なところ

  • 予想の斜め上過ぎる変身
  • 自然過ぎるライオンとの会話
  • ゆる~く肩の力が抜ける空気感

へんてこライオンは、色々なものに変身します。

でも、普通の変身ではありません。

ライオンからは、全く関連性のないものに普通に変身するのです。

お父さん、ビル、ハチ・・・。

だけど、何の脈絡がないわけもありません。

お父さんに変身する前は、出勤前の身だしなみを整えているし、

ビルになる前は、お尻を高く上げ、それっぽい形になっています。

ハチになる前は、どんどん小さくなりながら「プンプン」言っていたりします。

予想はつかないけれど、変身してみると「あ~そういうことか」と妙な納得感。

この不思議な感覚が、この絵本の魅力なのだと思います。

また、しんくんとゆうちゃんの、ライオンに対する自然過ぎる反応も、この絵本の素敵なところです。

しんくんとゆうちゃんは、へんてこなことをしているライオンに、読者の感じる素朴な疑問をぶつけてくれます。

「なにしてるの?」

「お尻を高くしてどうするの?」

小さくなっているライオンを見て「子どものライオンだ」

など、見ていたら普通に思うことを、普通にぶつけてくれるのです。

それに対して、普通に答えるライオン。

そして、変身した後は、

「お父さん行ってらっしゃーい」と、ライオン父さんを送り出すしんくん。

ビルの中から、笑顔で手を振るゆうちゃん。

など、自然に受け入れる二人。

この自然なやり取りを見ていると、予想外過ぎる変身も、当たり前のように感じられるから不思議です。

これらが重なり合って、この絵本を読んでいると、すーっと肩の力が抜けていきます。

ゆる~く、楽しい雰囲気が辺りを包み込んでくれるのです。

細かいことを気にせずに、頭を空っぽにして楽しみたい時に、こんなにもピッタリな絵本はないでしょう。

子どもたちも、

「えー!?なんでー!?」

「おもしろすぎるー!」

「へんなのー!」

と、細かいことは気にせず大笑い。

楽しさしかありませんでした。

へんてこなライオンの、へんてこな変身に、みんなが笑顔になれる。

ゆる~く、楽しく、発想力が無限に広がるナンセンス絵本です。

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