作：ふじもとのりこ 出版：世界文化社
かわいい動物たちのかわいい寝顔。
それを見ているだけでなんだか眠く・・・。
自然と体の力が抜ける絵本です。
あらすじ
大きなあくびをしているネコちゃん。
まあるくなって眠ります。
ぐっすり眠って・・・ひっくり返って寝ています。
眠くて目が閉じてしまっているワンちゃん。
まあるくなって眠ります。
ぐっすり眠って・・・ひっくり返って寝ています。
目を閉じてじっとしているうさちゃん。
縮こまり座って寝ています。
ぐっすり眠って・・・ひっくり返って寝ています。
赤ちゃんが眠そうにゴロゴロしています・・・。
『ねんねんころりん』の素敵なところ
- 本物そっくりのかわいい生き物たちのかわいすぎる姿
- 眠くなる決まり文句の繰り返し
- ひっくり返る生き物たちの破壊力
本物そっくりのかわいい生き物たちのかわいすぎる姿
この絵本のなにより素敵なところは、動物たちがかわいすぎるところです。
でも、デフォルメされているわけではありません。
その絵は驚くほどリアルで、毛並みの一本一本まで見えるほど。
特にお腹の毛のフワフワ感は、つい触って撫でたくなってしまう吸引力を発揮しています。
そんなリアルさで描かれる、動物たちの眠そうな顔といったらかわいいことこの上ありません。
ネコの大あくび。
イヌやウサギの起きているけど、目を閉じ切ったまぶたの重そうな顔。
見ているとこちらまで眠くなってきます。
そこからの丸くなる姿は、完全に寝る準備を始めています。
動物たちが眠る無防備な姿には、かわいさが詰っていることを、これでもかと見せつけられることでしょう。
この見ているだけで癒されるかわいすぎるかわいさが、この絵本のなによりも素敵なところです。
眠くなる決まり文句の繰り返し
でも、この絵本はかわいいだけではありません。
動物たちと一緒に眠くなってくる、決まり文句とその繰り返しも、この絵本の特徴の一つです。
「ネコちゃん ねむねむ ねんころりん」であくびをするネコ。
「まあるく ねんね ねんころりん ねんねんころり ねん・・・」でまあるくなって眠ります。
そしてページをめくると「ころりん！」で熟睡しすぎてひっくり返ってしまうのです。
この流れの繰り返しで、イヌもウサギも進んでいきます。
その一定のリズムは、まるで子守唄のよう。
これを聞いているだけでも眠くなるのに、目の前には気持ちよさそうに眠る動物たち。
耳と目の相乗効果で、どんどん眠くなるのです。
この目と耳の両方から、癒され、脱力し、気持ちよい眠りに誘われる繰り返しの作りも、この絵本のとても素敵でまぶたが重くなっていくところです。
ひっくり返る生き物たちの破壊力
さて、そんなかわいすぎるこの絵本ですが、一つ気を付けなければならないことがあります。
それが、「ころりん！」でひっくり返った動物たちのかわいさです。
これに破壊力があり過ぎて大変なのです。
見た瞬間に、目がハートになってしまうことでしょう。
さらにずるいのが、動物によってそのひっくり返り方にも個性があること。
ネコは両手両足を広げて「好きにしてください！」といったポーズ。
イヌはくたっとして、全身の力が抜けた脱力感溢れるポーズ。
ウサギはひっくり返ってもきゅっと縮こまっていて、臆病さが滲み出るポーズ。
と、それぞれにかわいさのベクトルが違うので、ページが進んでもそのかわいさに慣れないのです。
眠くなってきていても、このかわいさに目が覚めてしまうかもしれない・・・。
これが、この絵本のとても危険なところなのです。
二言まとめ
脱力感溢れるかわいい動物たちの姿と、繰り返しの決まり文句に、段々まぶたが重くなってくる。
でも、ひっくり返る動物たちのかわいさに、逆に目が覚めてしまうかもしれないおやすみなさい絵本で宇s。
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