【絵本】やきいもするぞ(3歳~)

絵本

作:おくはらゆめ 出版:ゴブリン書房

おいもがたくさん出来て、落ち葉がたくさん落ちています。

こうなったらしょうがない・・・。

焼き芋するぞ!

あらすじ

動物たちの森は落ち葉だらけで、畑はサツマイモだらけです。

こうなったらしょうがない。

「焼き芋するぞ」というリスの掛け声に、森の動物たちも呼応します。

まずは、落ち葉を山のように集め・・・。

サツマイモを谷のようにどんどん掘り・・・。

落ち葉の中にお芋を入れて火をつけました。

大きな焚火を囲んでいると、じっとしていられずに、みんな踊り出してしまいます。

踊っているうちにお芋が焼けました。

食べてみると、みんな思わず幸せ顔。

と、お芋を食べるとオナラが出ます。

それぞれの動物から、色んな音のオナラが聞こえます。

こうなったらしょうがない。

「オナラ大会するぞ」というリスの声掛けに、森の動物たちも呼応します。

一番いいオナラをした人の優勝です。

優勝賞品は、残りのお芋全部。

動物たちは順番にオナラをしていきます。

リスは可愛いオナラ。

イノシシは元気なオナラ。

ウサギは5連発オナラ・・・。

と、みんな特徴的なオナラばかりで、中々一番が決まりません。

その時、後ろから誰かの声が。

なんと、声をかけてきたのはサツマイモの姿をしたお芋の神様でした。

みんなびっくりしましたが、お芋の神様のオナラを聞いてみたいので、みんな静かになりました。

さて、お芋の神様はどんなオナラをするのでしょうか?

優勝は誰の手に!?

『やきいもするぞ』の素敵なところ

  • 思いの他ガテン系な「やきいもするぞ」の合言葉
  • 焼き芋を食べた時のとろけるような顔
  • 大爆笑のオナラ大会

思いの他ガテン系な「やきいもするぞ」の合言葉

この絵本でなにより印象的な言葉は「やきいもするぞ」でしょう。

でも、かわいい絵とは裏腹に、「やきいもするぞ」の言い方がかなりガテン系なのです。

まずリスが言い出しっぺなのですが、勇ましい顔に腕組みしながら「やきいもするぞ」と言い出します。

その姿は、まるで大工の棟梁のような凄みが。

続いてイノシシが鋭い目つきで腕組みしながら、「やきいもするぞ」と合わせます。

最後に森のみんなが「やきいもするぞ。エイエイオー!」と気合を入れて動き出す。

そんな一連の決まった流れの合言葉になっています。

そして、この合言葉を読むのが本当に楽しい。

このふてぶてしいまでのリスやイノシシの姿を見ていると、思わず「やきいもするぞ」の言い方に力が入ってしまい、言い方も劇画調になってしまうのです。

気分は北斗の拳やゴルゴ13。

凄みのある声で、かっこよく言いたくなってしまいます。

しかも、この後の「オナラ大会するぞ」と、最後にもう一度出てくる「やきいもするぞ」もまったく同じ流れ。

もう読むたびに楽しくて仕方ありません。

この、楽しすぎる「やきいもするぞ」の合言葉が、この絵本のとても素敵で何度も読みたくなるところです。

焼き芋を食べた時のとろけるような顔

こうして始まった焼き芋ですが、みんな気合が入りまくりです。

山のような落ち葉に、山のようなお芋。

この焼き芋が美味しくないはずがありません。

そして、出来上がったお芋を味見するイノシシ。

あんなに鋭い目で「やきいもするぞ」と言っていたイノシシですが、一口食べた瞬間にとろけ顔になってしまいます。

この顔を見ただけで、そのホクホクさや甘さがこれでもかと伝わってきます。

さらに他の動物たちも、口に入れたとたんとろけ顔。

これまでの気合の入った顔とのギャップが凄い。

甘~い甘い、幸せ空間がページいっぱいに広がります。

これには子どもたちも、

「おいしそ~」

「焼き芋食べたくなっちゃった・・・」

「きっと甘いんだろうな~」

と、よだれが垂れそうな顔で、動物たちを見つめていました。

口の周りに、金色に輝くお芋をいっぱいつけているのも、焼き芋がますます美味しそうに見えるポイントなのでしょう。

とにかく、幸せそうにお芋を食べる動物たちを見て、思わず口の中によだれが出てきてしまうのも、この絵本のとても素敵なところです。

大爆笑のオナラ大会

さて、こうして無事に成功した焼き芋ですが、ここで終わらないのも、この絵本のおもしろいところ。

焼き芋と言えば、セットでついてくるのがオナラです。

焼き芋を食べ、オナラが出たらしょうがない。

オナラ大会をするしかありません。

このオナラがとにかくおもしろい。

動物ごとに特徴的なオナラが6連発。

そしてオナラが出るたび、子どもたちは大爆笑。

オナラだけでも大爆笑なのに、そのオナラが変な音だったらさらに大爆笑になるのは自然の摂理です。

さらには最後に現れた特別ゲストのオナラが・・・。

このとにかく大爆笑が止まらない、おもしろすぎるオナラ大会も、この絵本のとても素敵なところです。

また、最後に現れた特別ゲストですが、実は物語の中でじわじわ動いていたりもします。

きっと初めて見た時は気付きませんが、オナラ大会を見てからもう一度見直してみると、新たな発見があっておもしろいですよ。

二言まとめ

やる気のほとばしる「やきいもするぞ」の合言葉が、読んでいても聞いていても楽しすぎて癖になる。

子どもが大好きな焼き芋のおいしさと、子どもが大爆笑なオナラの両方を思う存分楽しめる絵本です。

やきいもするぞ/ゴブリン書房/おくはらゆめ

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