シロナガスクジラ(5歳~)

絵本

作:ジェニ・デズモンド 訳:福本由紀子 出版:BL出版

世界で一番大きな動物のシロナガスクジラ。

その生態はまさに神秘の塊。

そんなシロナガスクジラの秘密を覗いてみましょう。

あらすじ

ある日、男の子はシロナガスクジラの本を取り出し読み始めた。

そこには、とてつもなく大きな哺乳類で、世界で一番大きな生き物だと書いてあった。

その長さは30メートル。

色は灰色。

でも、水の中だと明るい青に見える。

お腹の下の方は黄色っぽい白に見えたりする。

それは「けいそう」という微生物がお腹にくっついているから。

シロナガスクジラの模様は全員違う。

だから、この模様と背びれの形を見て、それぞれのクジラを区別している。

シロナガスクジラの重さは160トンくらい。

メスはオスのクジラより大きい。

クジラは重すぎて、地上では生きられない。

自分の重さでつぶれてしまうから。

シロナガスクジラの目は15センチくらい。

目はよく見えないし、においも味もあまり感じない。

でも、耳は素晴らしくよく聞こえる。

皮膚もとっても敏感だ。

他にも、食事、赤ちゃん、寿命、呼吸、声など、シロナガスクジラには驚くような生態がどんどん紹介されていく。

シロナガスクジラの神秘的な魅力にどんどん引き込まれていく・・・。

『シロナガスクジラ』の素敵なところ

  • 子どもの目線から見たシロナガスクジラ
  • わかりやすくイメージしやすい例え
  • 目を惹きつけてやまない悠々としたクジラの絵

この絵本の特徴はなんと言っても、子どもの目線から描かれていることでしょう。

そのため、言葉がわかりやすかったり、見ている子も、主人公の男の子と同じ目線で見ていけます。

この、子ども目線の一番大きなものは、わかりやすい例えです。

クジラの大きさを「トラクターとワゴン車、オートバイ、自転車、車、ボート、ショベルカー、トラックをずらっと並べたくらいの長さ」とイラスト付きで描いたり、

クジラの重さを「50~60頭のカバが山積みになったのと同じくらいの重さ」と表現したり。

他にも口の大きさや、潮吹きの高さなどでもわかりやすい例えが使われていて、そのスケールの大きさをイメージしやすいように描かれています。

さて、そのわかりやすい文章も魅力的なこの絵本ですが、一番素敵なのはシロナガスクジラの絵かもしれません。

温かみがありつつも、その堂々と悠々と泳ぐ姿は目を離せなくなるほど魅力的です。

きっと表紙のシロナガスクジラを見ただけで、その虜になってしまうでしょう。

文章や内容がまだあまりわからなくても、出てくるシロナガスクジラの姿を眺めるだけで、十分にシロナガスクジラの魅力が伝わってくるのです。

大きな体、つぶらな瞳、悠々とした泳ぎ。

どれもが目を離せなくなるほどです。

その絵とわかりやすい文章で、シロナガスクジラの不思議と魅力を全力で伝えてくれる絵本です。

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