サラダでげんき(3歳~)

絵本

作:角野栄子 絵:長新太 出版:福音館書店

元気がない時はサラダを食べよう。

でも、なんのサラダがいいんだろう。

色んな動物がサラダの具材をアドバイス。

元気もりもりサラダを作ります。

あらすじ

女の子のりっちゃんのお母さんが病気になってしまいました。

そこで、りっちゃんはお母さんが元気になるようなことを考えていました。

そして思いつきました。

「サラダを作ってあげよう」

冷蔵庫をのぞき、キュウリとキャベツとトマトを切って、大きなお皿に乗せました。

そこへ野良猫が入ってきて言いました。

「サラダには鰹節を入れるといいですよ」

りっちゃんはさっそくサラダに鰹節をかけました。

次に隣の犬がやってきて言いました。

「ハムサラダがなんたって一番さ」

りっちゃんは大急ぎでハムを入れました。

今度はスズメがやってきて言いました。

「トウモロコシを入れなきゃ元気になれない」

りっちゃんはサラダに茹でたトウモロコシを入れました。

その後も、アリに馬、ホッキョクグマにアフリカゾウ。

色々な動物がアドバイスをくれました。

果たして元気になるサラダは完成するのでしょうか。

そして、お母さんの容体は・・・。

『サラダでげんき』の素敵なところ

  • 個性豊か過ぎる動物たち
  • 反してちゃんと美味しく出来ていくサラダ
  • 最後のページのタイトル回収

この絵本では次々と動物が現れてアドバイスしてくれますが、その現れ方や、アドバイスの仕方が個性的過ぎます。

それが魅力でもありますが。

ジェントルマンな野良猫。

歌いながら話すスズメ。

電報でアドバイスしてくるホッキョクグマ。

飛行機で乗り付けるアフリカゾウなど。

その特徴的な絵と相まって、全員個性の塊なのです。

しかし、それに反してアドバイスはとても的確。

鰹節、ハム、コーン、砂糖少々、きりこぶなど、ちゃんとサラダが出来上がっていくのです。

アフリカゾウなど油と塩と酢を丁寧にサラダに混ぜて、味を調えるというデリケートな仕上げをしてくれます。

それを食べたお母さんからの、最後のページでタイトル回収。

このタイトル回収の絵が秀逸過ぎて、くすりとしつつ、ほっこりします。

個性豊か過ぎる面々が、ものすごくきちんとサラダを作っていく。

とても不思議なようなちゃんとしているような絵本です。

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