作:サトシン 絵:ドーリー 出版:えほんの杜
人生色々なことがあります。
困ったこともたくさん起こります。
そんな時の合言葉は「ま、いっか!」
この合言葉を唱えれば大抵のことはなんとかなる・・・はず。
あらすじ
目覚まし時計の音でテキトーさんは目を覚ましました。
なんと、時計の時刻は会社に行く時間です。
でも、テキトーさんはこう思いました。
「ま、いっか!」
でも、会社には行かないといけないので準備をします。
ネクタイがこんがらがったり、飼い犬のパピーに間違えてキャットフードをあげてしまったり、バスを降りそこなったり。
色々ありましたが「ま、いっか!」
そのままバスに乗り続け、海まで来たところでようやくバスを降りました。
海へ駆け出すと足がもつれて、ばっしゃーん。
全身びしょぬれになってしまいました。
しょうがないから服を脱ぎ捨て泳ぐことに。
そして、楽しく泳ぎ終わった時、服が沖まで流されていることに気が付きました。
財布も全部流され、バスに乗ることも出来ません。
でも、テキトーさんは「ま、いっか!」
歩いて会社まで行くことにしたのです。
テキトーさんは会社へたどり着けるのでしょうか。
そして、大遅刻のテキトーさんは一体何と言われるのでしょうか。
『ま、いっか!』の素敵なところ
- 伝染していく「ま、いっか!」
- 圧倒的なポジティブシンキング
- お約束だけど鉄板のオチ
最初の方はテキトーさんが「ま、いっか!」と言うと「よくないよ!」と返してくる子が多いのですが、読んでいくうちに次第に伝染していく「ま、いっか!」
「え~」と言いつつも「ま、いっか!」が増えてきます。
そして、徐々にテキトーさんの考え方に賛同する子も増えてきます。
テキトーさんの考え方はポジティブシンキング。
困ったことが起こっても、全部ポジティブにとらえて楽しんでしまいます。
「キャットフードをあげちゃったけど、美味しそうに食べてるからいっか」
「バスに乗れなくても、歩いていればいつかは着くよね」
などなど、理由付けがとってもポジティブです。
不思議なことに、子どもたちも「ま、いっか!」と言っているうちに、最初は「ダメでしょ」と言ったいたことにも「そうだよねー」と共感するようになってくるのです。
そんなこんなでテキトーさんの一日の終わりはお約束の鉄板オチで終わるのですが、伝統芸だけあって「え~!?」としっかり盛り上がって笑い声とともに終わります。
大人も子どもも読んでいると心が軽くなる絵本です。
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