きんのたまごのほん(4歳~)

絵本

作:マーガレット・ワイズ・ブラウン 絵:レナード・ワイスガード 訳:わたなべしげお
出版:童話館出版

一人ぼっちのウサギと一つの卵。

卵を割ろうとするウサギと、卵から生まれてくるアヒルのすれ違いが、かわいくておもしろい。

2人の出会いにほっこりとする絵本です。

あらすじ

昔あるところに、一匹の小さいオスのウサギがいました。

ウサギは一人ぼっちでした。

ある日、ウサギは卵を見つけました。

中で何か動いている音がします。

ウサギは卵の中身を想像しました。

小さな男の子?

他のウサギ?

もしかしたらゾウ?

ウサギは、押したり、上に乗ったり、木の実をぶつけたり・・・。

卵を割ってみようとしましたが、全然割れません。

そのうち卵から、「コツッコツッコツッ」という音が。

ウサギは耳をそばだてますが、また卵は動かなくなりました。

そのうちにウサギは丸くなり、眠り込んでしまいました。

そうしたら、卵にひびが入り、中からアヒルが顔を出しました。

アヒルはとなりで眠るウサギを見て、「こりゃなんだい?」と思いました。

そして、卵の中で一人ぼっちだったことを思い出し、ウサギを起こすことに決めました。

アヒルは、押したり、上に乗ったり、石の欠片をぶつけたり・・・。

ウサギは目を覚ましてくれるのでしょうか?

目を覚ましてアヒルを見たら、一体何というでしょう?

『きんのたまごのほん』の素敵なところ

  • お互いに一人ぼっちだった2人の気持ち
  • 2人とも同じ行動をする繰り返し
  • 微笑ましすぎる結末

お互いに一人ぼっちだった2人の気持ち

この絵本のとても素敵なところは、境遇の違う一人ぼっちだったもの同士が、出会うところにあるでしょう。

一人ぼっちで友だちのいないウサギ。

卵の中でずっと一人の世界を生きていたアヒル。

卵から何かが生まれたら、一人ぼっちじゃなくなると思ったウサギ。

ずっと一人の世界だと思ったいた卵の中から生まれたら、となりに他者がいたアヒル。

境遇や、細かな心の動きは違えども、心から他者を求めているところは同じです。

そんな2人が出会うというだけで、とても素敵な物語になっています。

2人とも同じ行動をする繰り返し

ですが、この絵本が素敵なのはそれだけではありません。

2人が出会うまでのすれ違いがおもしろいのです。

卵を見つけたウサギは、卵を割ろうと色々なことを試します。

押したり、上に乗ったりと。

でも、割れなくて寝てしまいます。

だけど、寝たとたんに今度は卵が割れて中からアヒルが。

アヒル出てきてウサギと出会えたのに、ウサギは起きていなくて結局一人ぼっちのまま。

そこでアヒルは眠ったウサギを起こそうと行動に出ます。

その行動が、ウサギが卵にしたのとまったく同じ。

まるで、さっきまでのウサギを見ているようです。

子どもたちも、

「ウサギさんと同じことしてるよ!」

「2人とも似てるね~」

と、その姿を微笑ましく見守ります。

なんだか、双子の兄弟でも見ているみたいなのです。

このかわいい繰り返しも、この絵本のおもしろくて素敵なところです。

微笑ましすぎる結末

さて、そんなかわいい2人の最後の結末は、とても微笑ましいものでした。

一人ぼっちだったもの同士の、最後の結末。

子どもたちも、

「よかった~」

「かわいいー!」

「仲良しだね!」

と、みんなほっこり。

みんなの心を温めてくれる、微笑ましすぎる結末もとても素敵なところです。

二言まとめ

小さなうさぎと小さなアヒルの、似た者同士な姿がとてもかわいい。

誰かと一緒にいる温かさを心から感じさせてくれる、ほっこり絵本です。

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