あっごきぶりだ!(3歳~)

絵本

作:塚本やすし 出版:ポプラ社

ゴキブリが家に現れたらもう大変。

阿鼻叫喚に包まれることでしょう。

あの恐怖を追体験して、みんなで騒げる絵本です。

あらすじ

いつもの夕食の時間。

お父さん、お母さん、ぼく、妹の4人でご飯を食べていた。

その時、ネコのタマの敷物の下から顔を出したのは・・・。

ゴキブリだ!

逃げたゴキブリを、お父さんがすかさず新聞紙で捕まえます。

ゴキブリを新聞紙でくるんだお父さんは自慢げな顔。

家族からも称賛の声があがります。

と、その時・・・。

新聞紙から捕まえたゴキブリが顔を出したのです。

頼りにしていたお父さんは固まってしまいました。

元気に走っていたゴキブリが今度は・・・。

飛びました!

みんな必死で非難します。

なんとか椅子の上に上がり一安心。

ところが、さっきまでいたゴキブリの姿が見えません。

どこに行ったか探していると、お父さんの頭の後ろから顔をのぞかせるゴキブリ。

またもや家族は大パニック!

家族の平穏は取り戻せるのでしょうか・・・?

『あっごきぶりだ!』の素敵なところ

  • ゴキブリが現れた時のパニック感がリアル
  • ゴキブリへの反応がリアル
  • 対ゴキブリ用救世主の強さ

ゴキブリが現れた時のパニック感がリアル

この絵本のおもしろいところは、ゴキブリが出た時のパニック感が、ものすごくリアルに表現されていることでしょう。

まるでモンスターでも現れたかのような緊張感。

近づいてきた時のパニック感。

見失った時の恐ろしさ。

見ていると、家にゴキブリが出た時のことを思い出させてくれます。

家で出ると笑い事じゃないからこそ、こうして他人事として見るのがおもしろいのかもしれません。

きっと、一度でもゴキブリの恐怖を味わったことがある人なら、楽しめることでしょう。

ゴキブリへの反応がリアル

パニック感だけではなく、ゴキブリの行動に対する、家族の反応もリアルです。

捕まえて安心していたら、そこから這い出てきた恐怖。

固まるお父さんの表情は「無」。

きっと、自己防衛本能から心を無にしたのでしょう。

自分でも、実際に手元から出てきたら、パニックを通り越して思考を停止すると思います。

さらには飛ぶゴキブリ。

こんなことされた日には、もうパニック間違いなし。

絵本と同じように、逃げ惑うことでしょう。

ゴキブリへの反応に、ビックリするほど共感できるのが、この絵本の素敵なところ。

その証拠に子どもたちも、

「うわ~!いやだー!」

「うちも飛んだことある!怖い!」

「ぎゃー!ひ~!」

と、まるで本当にゴキブリが出たかのような大騒ぎ。

家での光景が鮮明に頭に浮かんでいる様でした。

対ゴキブリ用救世主の強さ

そんな騒動を収めたのは、まさかの救世主でした。

全く怖がる子ともなく、もてあそぶ強さと安心感。

パニックになる家族が滑稽に見えるほどの、堂々とした姿はまさに勇者。

おかげで、家族に平和が戻ります。

これを見ると、「なんでゴキブリを怖がるんだろうな」という哲学的な考えが頭に浮かび、ゴキブリも怖くないんじゃないかと思えてくるから不思議です。

でも、家に出たら結局パニックになることでしょう・・・。

二言まとめ

家にゴキブリが出た時の恐怖感とパニック感を、リアルに再現してしまった。

その時のことを思い出しつつ、他人事なので楽しく騒げるドタバタ絵本です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました