作:tupera tupera 出版:学研プラス
急に突風が吹いてきたら・・・。
そんな場面を楽しめる仕掛け絵本。
鼻水、アイス、綿毛など、色んなものが豪快に飛ばされて、大笑いの絵本です。
あらすじ
鼻水の垂れた男の子。
そこへ風がビューン!と吹いて、鼻水が顔の方へ飛ばされた。
綿毛を飛ばそうとする女の子。
そこへ風がビューンと!吹いて、綿毛が全部飛ばされた。
吼える怖そうなライオン。
そこへ風がビューン!と吹くと、たてがみが飛ばされただのネコに。
ばっちりリーゼントに、サングラスで決めた怖そうなお兄さん。
そこへ風がビューン!と吹いて、サングラスが飛ばされ、髪も変な形。
全然怖くなくなった。
大事な手紙を持った女の人。
そこへ風がビューンと吹いて・・・。
『かぜビューン』の素敵なところ
- 飛ばされることがわかっているおもしろさ
- 定番からまさかのものまで、バリエーション豊かな飛ばされるもの
- 突風の横殴りを味わえる仕掛け
飛ばされることがわかっているおもしろさ
この絵本のおもしろいところは、色々なものが風で勢いよく飛ばされるところでしょう。
それも予想外に飛ばされるのではなく、飛ばされるのがわかっているのもおもしろい。
手に持っているもの、髪形など、見ただけで「あれが飛ばされるんだろうな・・・」とわかるものばかり。
それが逆に「どんな風に飛ばされるんだろう・・・」とドキドキワクワクさせてくれます。
言うなればダチョウ倶楽部の「押すなよ・・・押すなよ・・・」と同じノリ。
「飛ばされるぞ・・・飛ばされるぞ・・・」からの「飛ばされた―!」がおもしろくないはずありません。
仕掛けのページを開き、飛ばされるたび大爆笑。
「やっぱりー!」
「ちゃんと持ってないとー!」
とゲラゲラ笑ってしまいます。
この予想できるからこその鉄板のおもしろさが、この絵本のとても素敵なところです。
定番からまさかのものまで、バリエーション豊かな飛ばされるもの
そんな色々と飛ばされるものですが、そのバリエーションが豊富なのもおもしろいところです。
ソフトクリームや手紙など、定番過ぎて完全に予想のつくものから、ライオンのたてがみなど予想外の飛ばされ方をするものまで様々。
ページをめくるたび出てくる飛ばされそうなものに、好奇心がかきたてられます。
その中で、飛ばされないものが入っているのもおもしろく、物の重さなどへの興味が自然と湧いてきます。
また、飛ばされて嬉しいものがあるのも素敵なところ。
風が吹いて起こることの、色々な面を感じることができるのです。
突風の横殴りを味わえる仕掛け
さて、忘れてはいけないのが、この絵本のおもしろい仕掛け。
右のページが開けるようになっていて、「はなみずたらーり、かぜ・・・」で右ページを開くと「ビューン」と風が吹き、ものが飛ばされるようになっているのです。
この横向きに勢いよく開く様は、まさに横殴りの突風。
さらにページが横に長くなるので、すごい勢いで遠くまでものが飛ばされてしまう感じが、うまく表現されているのです。
仕掛けを開いた瞬間、その場に突風が吹いて来ているよう。
それをみんなで楽しめるのだから、こんなに楽しいことはありません。
部屋にいながら、あの風が強い日のお祭り感を味わえるのも、この絵本のとても素敵なところです。
二言まとめ
「絶対飛ばされるぞ・・・」という期待通りに、次々と飛ばされていくものに笑いが止まらない。
部屋にいても、本当に風が吹いているかのように感じられる仕掛け絵本です。
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