かげええほん(4歳~)

絵本

作:こんどうりょうへい 構成:かきのきはらまさひろ 写真:やまもとなおあき 出版:福音館書店

体を使い、なんでも表現してしまう不思議な影絵。

その影絵の裏で、どんなポーズをしてるのかがわかってしまう絵本です。

一人技、合体技、どんなポーズをしているのかな?

あらすじ

この絵本の構成は、影絵クイズになっています。

見開きで大きく影絵が出てきつつ、「このかげなんだ こりゃなんだ?」と問いかけます。

ページをめくると、明かりがついて、正解と一緒に影絵のポーズをしている人が映ります。

この流れで、ツル、ウマ、松、やかん・・・など、色々な影絵が現れます。

写真を見ないと、おもしろさがまったく伝わらないと思うので、ぜひ本物を手に取って見てみてください。

『かげええほん』の素敵なところ

  • どんなポーズをしているのか想像もつかないような影絵の数々
  • 小ネタ満載の元気が出る写真
  • ダジャレになってる答えの文章

どんなポーズをしているのか想像もつかないような影絵の数々

この絵本の一番おもしろいところは、人間の影とは思えないような影絵の数々でしょう。

手で作る影絵とは全く違う大掛かりな影絵は、迫力も不思議さも満天です。

どうやったらそんな形になるのか想像もつきません。

影絵の中の一部が「あっ!人の頭じゃない?」「こんなポーズだよ!」とわかっても、ページをめくり正解をみると、その他のところの作りにびっくり。

「ここも人だったんだ!?」と、驚きの声が絶えません。

よく知っているものばかりの、すぐに答えのわかる影絵と、全く予想もつかない影絵の作り方のギャップがとても素敵。

影絵の奥深さと、表現の自由さ、そのおもしろさを感じさせてくれるのです。

小ネタ満載の元気が出る写真

そんな予想外のポーズの写真。

ここに小ネタと、みんなを笑顔で元気にしてくれるエネルギーが詰っているのも素敵で大好きなところです。

どの写真もただ真面目に影絵のポーズをするだけではありません。

ニカっと笑ったり、決め顔をしたり、変な顔をしていたり・・・。

みんなとにかく楽しそうに映っているのです。

特に満面の笑顔の写真は、こちらまで笑顔にしてくれるほどにこやか。

影絵とは別に、楽しく明るい気分にさせてくれます。

同時に、「影絵って楽しそう」「やってみたい」と思わせてくれます。

これはきっと、この人たちがやっている影絵だからでしょう。

芸術やアートに見えがちな影絵を、とても身近に遊びのように感じさせてくれています。

また、小ネタが満載なのもおもしろいところ。

やかんの影絵で本物のやかんを持っていたり、

縁起物の影絵で招き猫を置いていたり、

と、関係のあるものや、おもしろそうなものが混ざっています。

しかも、これらが影絵まったく映らない場所など、影絵のパーツと全く関係ないところにあるのです。

まさに小ネタ。

演者の表情といい、小ネタの数々といい、影絵に映らない所まで、お楽しみが詰っているのもこの絵本のとても素敵で大好きなところです。

ダジャレになってる答えの文章

さて、写真だけでも十分おもしろいこの絵本。

ですが、文章までおもしろさを詰め込むことを忘れません。

「このかげなんだ こりゃなんだ?」の問いかけの後の答えの文。

ここにしっかりダジャレを詰め込んでいるのです。

一本足で立つツルのポーズには、

つるになってる人でした。手足伸ばして、ああ、足がつる。」

二人組で泥棒のような風呂敷を被っているウマのポーズでは、

うまになってる人でした。しめしめうまくできたでしょ。うひひーん。」

というように、ポーズや小道具に合わせたダジャレが仕込まれています。

ダジャレに敏感なお年頃の子どもたちも、

「あ!ダジャレになってる!」

と大喜び。

言葉遊びのおもしろさまで入っているのです。

影絵の写真だけでなく、文章を読むのもおもしろいのが、この絵本のさらにおもしろいところです。

二言まとめ

人間の体をフルに使った影絵とその作り方に、驚きと楽しさが止まらない。

影絵だけでなく、ポーズ、文章など、この絵本の要素すべてにおもしろさを詰め込んだ絵本です。

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