【絵本】ハミガキクエスト(3歳~)

絵本

作:山岡ひかる 出版:くもん出版

今日、勇者が冒険へ出発します。

武器は歯ブラシ、相棒は白き竜。

そして、冒険の舞台は・・・口の中!?

あらすじ

勇者ハミーが、モンスター退治の旅に出発しました。

行く手を歯磨きチューブが塞いでいたので、踏んでみると白くて小さな生き物が。

それはドラゴンのフーでした。

フーは、歯磨きチューブから出してくれたお礼に、勇者の仲間になりました。

進んでいくと、唇のような大きな山があり、これ以上進めそうにありません。

しかし、ハミーが呪文を唱えると・・・

山に口のような秘密の扉が開きました。

ハミーとフーは、前歯の洞窟に入ります。

すると、ポテチモンスターが現れました。

フーとハミーの攻撃で、ポテチモンスターをやっつけました。

今度は上からランチッチ軍団が降ってきました。

けれど、これも力を合わせてやっつけます。

こうしてモンスターを倒したハミーとフーは、奥歯の洞窟へと進んでいきました。

と、その時、チョコレートモンスターが現れて、ハミーが捕まってしまいます。

フーが攻撃し、ハミーを助けようとしますが、チョコレートモンスターには攻撃が効きません。

ハミーのHPは残り僅か。

絶体絶命かと思った時、ハミーが呪文を唱えます。

すると、フーの姿が・・・。

ハミーとフーは、チョコレートモンスターを倒すことができるのでしょうか?

『ハミガキクエスト』の素敵なところ

  • ドラクエ風の大冒険
  • テンションの上がる必殺技
  • 実際に歯磨きをする時にも役立つ冒険

ドラクエ風の大冒険

この絵本の最も特徴的なところは、ゲーム『ドラゴンクエスト』をモチーフにした構図になっているところでしょう。

「ドラゴンのフーが仲間になった」

「ハミーとフーは前歯の洞窟に入った」

というような、文章のドラクエ感はもちろんのこと、

文章がドット調だったり、

戦いになると左上に、「HP,MP,Lv」という、RPGのステータスが表示されていたり、

随所にドラクエらしさが詰め込まれているのです。

しかも、よく見ると、敵を倒し進んでいくたびに、しっかりハミーとフーがレベルアップしており、ステータスが上昇していたり、攻撃されるとHPが減っていたりと芸が細かい。

ドラクエをやったことがある人が見るとニヤニヤしてしまいます。

もちろん、ドラクエを知らない子どもたちも、ゲーム感は伝わるようで、クリアして進んでいくのがおもしろいようす。

洞窟を進み、敵を倒し、奥で待ち受ける強大なボスに立ち向かうという、ドラクエならではの醍醐味は現代の子ども達にも共通している様でした。

大人はドラクエらしさにニヤニヤし、子どもはそのゲーム感にワクワク出来る、2世代でそれぞれのおもしろさが楽しめるのが、この絵本のおもしろいところです。

テンションの上がる必殺技

こんな風に、ドラクエをモチーフにした大冒険。

もちろんその内容も、ドキドキワクワクが詰ったものになっています。

その中でも、特に盛り上がる場面は、やはり強敵チョコレートモンスターとの戦いです。

チョコレートモンスターにつかまるハミー。

フーの攻撃は効きません。

しかし、ページをめくるごとにハミーのHPは減っていき、大ピンチに。

ここからの逆転劇が、かっこよくて、爽快で、まさに勇者の物語と言った感じなのです。

しかも、フーとハミーの力を合わせて勝つところも素敵です。

これまで可愛かったフーの、驚くべき真の力や、ハミーのド迫力の必殺技に、子ども達も大興奮。

「フー、かっこよくなった!」

「ハミー、つよっ!!」

と、歓声をあげたり、自分も真似して動いたり。

それはまさにヒーローものの、ラストシーンのような盛り上がりでした。

この、強敵を倒すのにふさわしい、子ども達がヒーローに求めているものを詰め込んだ、最後のシーンもこの絵本のとても盛り上がる楽しいところです。

ぜひ、恥ずかしがらずに、必殺技の名前を高らかに叫び、最後のシーンを盛り上げてください。

実際に歯磨きをする時にも役立つ冒険

さて、そんな大冒険を繰り広げるこの絵本ですが、その世界観は歯磨きです。

出てくるモンスターも、ポテチやランチ、チョコレートなど、歯磨きをしないと虫歯になるものばかり。

ハミーの剣も歯ブラシで、攻撃も歯磨きすることです。

ということは、この物語を読めば普段の歯磨きも、大冒険にすることができるということ。

実は、この絵本には普段の歯磨きを楽しくする工夫が盛りだくさんなのです。

まずは、仲間のドラゴンであるフー。

これは、どこの家にもいることでしょう。

歯磨き粉のチューブを押せば出てきます。

味によって色が違うかもしれませんが、それもまた楽しいところ。

歯磨きを始める時に、「フーが仲間になった」から始めたら、一気に物語の世界に入り込めてしまいます。

こうしてフーとともに前歯奥歯と進むうち、その日食べたものがモンスターになって襲ってくるはず。

食べ物ごとに、必殺技を作ってもおもしろいかもしれません。

仕上げ磨きを嫌がる子には、ハミーの必殺技が役立つことも。

最後のモンスターをやっつけるため、歯ブラシの剣を渡してくれることでしょう。

他にも、普段の歯磨きに使えそうな設定や、セリフが目白押しのこの絵本。

物語と現実の歯磨きを行き来して、普段の歯磨きを楽しい大冒険に変えてくれるところも、この絵本のとても素敵なところなのです。

二言まとめ

ドラクエ風の大冒険が、ドラクエを知っている大人にも知らない子どもにも、ワクワクドキドキでおもしろい。

見たら、いつもの歯磨きも、楽しい大冒険に変わってしまう、歯磨き絵本です。

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