ようかいガマとの~おイケにカエる~(4歳~)

絵本

作:よしながこうたく 出版:あかね書房

駐車場の土の中から拾ってきたカエル。

そのカエルがまさかの妖怪だったらどうするでしょう。

さらにそのせいで、全ての妖怪が見えるようになってしまったら・・・。

あらすじ

小学生のユウタは、ある日の学校帰り、0点のテストを埋めようと駐車場に穴を掘っていました。

すると、冬眠中のカエルを見つけたので、家で飼うことにしました。

家に帰り、カエルを水槽に入れると目が開きました。

ユウタが風呂に入りに行こうとしたその時、カエルが水槽から飛び出ししゃべったのです。

そのカエルは「ガマとの」と名乗りました。

「自分はガマ池で寝ていた。ガマ池へ連れて帰れ」と言うのです。

ユウタとガマとのが騒いでいるとお母さんがドアを開けました。

しかし、その時にはガマとのは姿は消えていました・・・。

ユウタはトイレへ駆け込みました。

小便をしていると、目の前に変わったおじいさんが現れ話しかけてきました。

おじいさんは30年も前から、そこに座っていると言います。

ユウタは疲れているのだと自分に言い聞かせました。

でも、風呂に入っても妖怪が見えました。

妖怪が見えるようになってしまったことに気付き、湯船につかっていると、湯船の中からガマとのが現れました。

ガマとのは恐ろしい顔つきになり、「ガマ池に連れていけねば、この家もろとも呪ってしまうぞ」と言い始めました。

ユウタは仕方なくガマ池に連れていくことにしました。

ガマ池の場所がわからにので、道中の妖怪に聞いてみることになりました。

つるべ落としや、砂かけ婆に聞いてみますがわかりません。

牛鬼に聞いてみると、危うく食べられそうになりました。

ガマ池が見つからず、落ち込んでいるガマとのをユウタが慰めていると、赤鬼と青鬼が通りがかりました。

2人はガマ池の場所を知っていて案内してくれると言うのです。

でも、たどり着いたのはガマとのが埋まっていた駐車場でした。

そこにはガマとのの家来がいましたが池はありません。

ガマとのたちが50年間冬眠している間に池はなくなってしまっていたのです。

ガマとのたちはガマ池に変えることは出来ないのでしょうか。

ガマとのはずっとユウタの家で暮らすことになるのでしょうか。

『ようかいガマとの~おイケへカエる~』の素敵なところ

  • 勢いのある絵と躍動感
  • 徐々に仲良くなっていくガマとのとユウタの友情
  • ページに散りばめられた妖怪たちと妖怪探し

この絵本でまず目に飛び込んでくるのは、独特のタッチで描かれた絵本の雰囲気でしょう。

キャラクターの表情など、独特の雰囲気ですが、そこに目を奪われてどんどん読み進めてしまいます。

そんなキャラクターたちの動きがまた躍動的です。

まるでアニメを見ているかのように描かれた動き。

ガマとのが水槽から飛び出したり、家で妖怪たちがうごめいたり、牛鬼がユウタを食べようとしたり。

どれも絵本から飛び出して来そうなほどの躍動感です。

その絵を見ているだけで、「うわー出てきた!」「家にいたら嫌だ~」と楽しめてしまいます。

そんな躍動感たっぷりで描かれるガマとの。

このガマとののわがままっぷりはまさにお殿様。

自分勝手でわがままです。

ユウタも最初は振り回されてばかりでした。

でも、一緒に冒険し、助け助けられていくうちに、いつしか友だちになっていました。

終盤の互いを思いやる気持ちは見ていて心が温まります。

そんな物語に欠かせないのが数々の妖怪たち。

家や町の中など、いたるところにひしめいています。

不気味なもの、コミカルなもの、かわいいものなど様々。

表紙の裏には登場する妖怪の図鑑も載っているので、それを見ながら妖怪探しを楽しめるのも魅力の一つです。

本編に、妖怪探しにと、この独特の絵と雰囲気を存分に楽しめる絵本です。

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