作:ユリ・シュルヴィッツ 訳:さくまゆみこ 出版:あすなろ書房
夜になるとみんなみんな眠くなる。
家具も、食器も、男の子も・・・。
読んでいると頭も心も心地よく眠くなってくる絵本です。
あらすじ
眠い眠い夜が来ると、お月さまもおうちも眠い眠い。
部屋にある、イスやテーブルやお皿。
猫に時計に男の子。
みんな眠い眠い。
と、そこへ、どこからか楽しい調べが聞こえてきた。
その音が段々大きくなると、みんな目を覚まして踊り出す。
やがて、楽しい調べは段々小さくなって、またみんな眠りに落ちる。
『ねむいねむいおはなし』の素敵なところ
- 眠りを誘う「ねむいねむい」の繰り返し
- 物語の強弱がさらに眠りに誘う
- 眠りを誘う色使いと表情
この絵本は読んでいると眠くなってきます。
その一番の理由は「ねむいねむい」という言葉の繰り返しでしょう。
心地いいリズムで繰り返される「ねむいねむい」を聞き続けていると、子守唄を聞いているように頭がふわっとしてきます。
しかし、ふわっとなったところで、楽し気な調べが聞こえてきます。
それにあわせてみんな目を覚まし、楽しそうに踊り出すのです。
眠気は吹き飛び楽しい時間が流れます。
でも、段々調べが小さくなると、もう一度みんな眠っていく。
この楽しさから静けさへの移り変わりが、さらに眠りへと誘ってくれるのです。
また、絵も忘れてはいけません。
全体を通して、月明かりにうっすらと照らされたような落ち着いた色合いは、本当に電気を消した部屋にいるみたいな気持ちにさせてくれ、気持ちを落ち着かせてくれます。
眠っている表情は、しあわせそうにぐっすりで、寝息が聞こえてきそうなほど。
その絵をゆっくり眺めているだけでも眠くなってきます。
読んでいると、心地よい眠気に誘われる。
おやすみなさいの絵本です。
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