文:アラン・デュラント 絵:まつおかめい 訳:真珠まりこ 出版:主婦の友社
みんな大好きなハンバーガー。
でも、ハンバーガーばかり食べていると体がハンバーガーに!
「自分の体は食べたもので出来ている」
そんなことを教えてくれる絵本です。
あらすじ
男の子のベニーは野菜が嫌い。
大好きなハンバーガーばかり食べていました。
すると、ある日、ベニーは大きなハンバーガーになってしまったのです。
ハンバーガー屋さんから出てきたベニーを見て、犬が走ってきました。
ハンバーガーになったベニーを食べようとしているのです。
ベニーは必死に逃げました。
しかし、犬の数はどんどん増えていきました。
走りついたところは牧場でした。
そこにいた牛たちがベニーを見て怒りました。
ハンバーガーには牛肉を使っていたからです。
ベニーは逃げました。
後ろからは牛と犬が追ってきます。
逃げて行った先には遊んでいる男の子たちがいました。
ベニーは男の子たちに助けを求めました。
しかし、男の子たちは大きなハンバーガーに大喜び。
ベニーを食べようとしました。
ベニーはまた逃げました。
しかし、道路に阻まれ絶体絶命。
「食べられちゃう」と思った時、一台の車が止まり、ベニーに車に乗るよう言いました。
ベニーは車に乗ってどこまで逃げていくのでしょう。
人間に戻れる日は来るのでしょうか。
『バーガーボーイ』の素敵なところ
- 好きなものばかり食べるとどうなるかがユーモラスに描かれる
- テンポのいい文章とハラハラドキドキの展開
- ハンバーガーを悪者にしているわけじゃない
好きなものばかり食べていたり、好きなことばっかりやっている時によく言うセリフ。
「○○ばっかり食べてると、○○になっちゃうよ」
普段は話半分に聞いているこのセリフも、本当になってしまったらさあ大変。
食べられそうになるし、牛には恨まれるし。
ハンバーガーの生活も楽じゃありません。
それらがハンバーガー視点で、ユーモラスに描かれます。
そして、このハラハラドキドキの逃走劇を盛り上げてくれるのが、テンポのいい文章です。
語呂がよく、歌うように進んでいく逃走劇。
このテンポのよさに子どもたちは、一時も目が離せず、アクション映画のワンシーンをみているよう。
ひと段落したら、新たな相手に追われる展開も、手に汗握り息をつく暇も与えません。
読み始めたら、ベニーと一緒に最後まで駆け抜けてしまうことでしょう。
そんな疾走感のある絵本ですが、ハンバーガーを悪者にしているわけではないのも素敵なところです。
懲りて野菜大好きになったベニーに最後に災難が起こります。
ハンバーガーが悪いのではなく、バランスよく食べることが大切だと教えてくれます。
アクション映画ばりの疾走感で、バランスよく食べる大切さをユーモラスに伝えてくれる絵本です。
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