作:せなけいこ 出版:福音館書店
誰しも物をなくしたことがあるでしょう。
なくなったものはどこでなにをしているでしょう。
どんな気持ちでいるでしょう。
そんなことを考えさせてくれる絵本です。
あらすじ
ルルちゃんが靴下をなくした。
昼寝の時脱いだまま、どこへいったかわからない。
先生に聞いても、みんなに聞いてもわからない。
ウサギが耳に履いたり、犬が首に巻いたり、猫が尻尾に履いたりしているかもしれない。
どこかで泣いているのかな?
ごめんなさいね、靴下さん。
『ルルちゃんのくつした』の素敵なところ
- なくした物の気持ちを考えられる
- 泣いている靴下の絵がとてもかわいそう
- 最後まで見つからない
子どもはよく物をなくします。
でも、まだまだ自分が世界の中心なので、なくした物の気持ちになって考えたりするのは難しいものです。
この絵本は、そんななくした物の気持ちをわかりやすく描き、伝えてくれます。
特に、泣いている靴下の絵はかわいそうで、心が締め付けられるよう。
自分がなくした物も、あんな風に泣いているかもしれないと思うと申し訳ない気持ちが湧いてきます。
でも、なくした物は最後まで出てきません。
その申し訳なさを、ハッピーエンドで打ち消さず、心に遺しておいてくれるのが素敵だなと思います。
絵本というわかりやすく、伝わりやすい媒体だからこそ心に響く。
なくした物の気持ちを真剣に考えられる絵本です。
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