作:角野栄子 絵:長新太 出版:福音館書店
元気がない時はサラダを食べよう。
でも、なんのサラダがいいんだろう。
色んな動物がサラダの具材をアドバイス。
元気もりもりサラダを作ります。
あらすじ
女の子のりっちゃんのお母さんが病気になってしまいました。
そこで、りっちゃんはお母さんが元気になるようなことを考えていました。
そして思いつきました。
「サラダを作ってあげよう」
冷蔵庫をのぞき、キュウリとキャベツとトマトを切って、大きなお皿に乗せました。
そこへ野良猫が入ってきて言いました。
「サラダには鰹節を入れるといいですよ」
りっちゃんはさっそくサラダに鰹節をかけました。
次に隣の犬がやってきて言いました。
「ハムサラダがなんたって一番さ」
りっちゃんは大急ぎでハムを入れました。
今度はスズメがやってきて言いました。
「トウモロコシを入れなきゃ元気になれない」
りっちゃんはサラダに茹でたトウモロコシを入れました。
その後も、アリに馬、ホッキョクグマにアフリカゾウ。
色々な動物がアドバイスをくれました。
果たして元気になるサラダは完成するのでしょうか。
そして、お母さんの容体は・・・。
『サラダでげんき』の素敵なところ
- 個性豊か過ぎる動物たち
- 反してちゃんと美味しく出来ていくサラダ
- 最後のページのタイトル回収
この絵本では次々と動物が現れてアドバイスしてくれますが、その現れ方や、アドバイスの仕方が個性的過ぎます。
それが魅力でもありますが。
ジェントルマンな野良猫。
歌いながら話すスズメ。
電報でアドバイスしてくるホッキョクグマ。
飛行機で乗り付けるアフリカゾウなど。
その特徴的な絵と相まって、全員個性の塊なのです。
しかし、それに反してアドバイスはとても的確。
鰹節、ハム、コーン、砂糖少々、きりこぶなど、ちゃんとサラダが出来上がっていくのです。
アフリカゾウなど油と塩と酢を丁寧にサラダに混ぜて、味を調えるというデリケートな仕上げをしてくれます。
それを食べたお母さんからの、最後のページでタイトル回収。
このタイトル回収の絵が秀逸過ぎて、くすりとしつつ、ほっこりします。
個性豊か過ぎる面々が、ものすごくきちんとサラダを作っていく。
とても不思議なようなちゃんとしているような絵本です。
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