作:Goma 出版:フレーベル館
甘くて美味しいチョコレート。
そんなチョコレートに魅入られたネズミのパン屋さんがいました。
ネズミが作るチョコパンがなんと実写で出てきます。
チョコパンを食べたくも、作りたくもなる絵本です。
あらすじ
あるところに、キツネとネズミさんのへんてこパン屋さんがありました。
最近ネズミさんはチョコレートに夢中で、作るものはチョコ味のものばかりでした。
ネズミさんの作るチョコパンはどんどん種類が増えていきました。
そんなある日、お客さんがハムサンドを買いに来ました。
しかし、出てきたのはチョコハムサンドイッチ。
まるごとニンジンパンを買いに来たお客さんには、まるごと板チョコパン。
コーヒーコルネパンを買いに来たお客さんには、コーヒーカップチョコパン。
と、進めるのはチョコレートのパンばかり。
最初は色んなチョコパンを食べようと、お客さんが毎日やってきました。
が、しばらくすると、お客さんはぱったりと来なくなってしまいました。
「やり過ぎちゃった・・・」と落ち込むネズミさん。
そんなネズミさんの元に、一通の手紙が届きました。
中には一粒の種と「チョコの種」というメモが入っていました。
さっそくネズミさんはチョコの種を植えてみることに。
すると、木はぐんぐん大きくなり、たくさんの実をつけました。
その実を割ってみると、中には白い種が入っています。
ネズミさんが本で調べると、その種からチョコが出来るというのです。
ネズミさんはチョコを作っているうちに、新しいパンのアイデアが浮かんできました。
ネズミさん、今度はどんなパンを作るのでしょう。
お客さんは戻ってくるのでしょうか。
『チョコのたね』の素敵なところ
- チョコレートの秘密や作り方がわかりやすく描かれている
- 美味しそうなチョコパンが実写で出てくる
- 実写で出てきたチョコパンの詳しい作り方も載っている
この絵本では、チョコレートが昔、薬として用いられていたことや、カカオから出来ること、その作り方など、チョコレートの秘密がたくさん描かれています。
ですが、うまく物語の中に織り込まれていて、わかりやすく、邪魔になっていないのがこの絵本の素敵なところ。
物語を楽しむ中で、自然とチョコレートの知識を吸収できるのです。
そんなチョコレートで作るネズミさんのチョコパンはどれも美味しそうで、あっと驚くものばかり。
普通の絵で描かれていたら、「美味しそう!」とは言うものの、本当に作れるとは思わないようなものばかりです。
しかし、この絵本ではそれらのパンが実写で出てきます。
それを見て「え!?本当に作れるの!?」となおさらびっくり。
しかも、実写のチョコパンのチョコがとろける様子などは破壊力も抜群です。
「食べたい!」の大合唱が始まります。
でも、この絵本は「食べたい」だけでは終わりません。
なんと、巻末に詳しいレシピが載っているのです。
すごく難しそうな形のパンも、レシピを見てみると、意外と簡単に作れてびっくり。
絵本に出てきたチョコパンたちが、本当に家で作って食べられるのです。
絵本の中の世界が、チョコパンを通して現実に飛び出してくる。
「美味しいそう」「おもしろい」「美味しい」の全てが本当に味わえる絵本です。
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