作:エリック=カール 訳:おおつきみずえ 出版:偕成社
家族の一員であるネコ。
でも、ある日そのネコがいなくなったら・・・。
いなくなったネコを探していたら、世界を一周してしまった。
そんな飼い主と世界の「ネコ」の絵本です。
あらすじ
男の子が飼い猫を探しています。
「ぼくのネコみなかった?」
と道行く男の人に聞くと、向こうを指さし教えてくれました。
行ってみると・・・。
そこには檻に入ったライオンがいました。
「これはぼくのネコじゃないよ」
さらに探していくと、別の国に着きました。
そこでも
「ぼくのネコみなかった?」
と馬に乗った人に聞いてみると、向こうを指差し教えてくれました。
行ってみると、オオヤマネコでした。
「これはぼくのネコじゃないよ」
そして、さらに別の国へ。
いろんな国の色んな人に教えてもらい、色んなジャガーやピューマなど、色々な「ネコ」を見つけますが、どれも「ぼくのネコ」ではありません。
「ぼくのネコ」と再会できるのでしょうか。
『ぼくのねこみなかった?』の素敵なところ
- わかりやすい繰り返しと出てくる動物の意外性
- ページの間の物語に想像が膨らむ
- 思ったより・・・な結末
この絵本は「ぼくのねこみなかった?」と「これはぼくのねこじゃないよ」のわかりやすい繰り返しで描かれています。
とても単純でわかりやすいながら、「次はなにが出てくるんだろう」というワクワク感や期待感を持たせてくれます。
また、出てくる「ネコ」たちも、ライオンやジャガーなど全然飼いネコ感のないものばかり。
その意外性に、「全然違うじゃん!」「全然ネコじゃないし!」と子どもたちからのツッコミも盛り上がります。
前途多難なネコ探しですが、すごいのは出てくる動物だけではありません。
ページをめくるたび、飼い主は違う国に探しに行っているのです。
それは「ぼくのねこみなかった?」と聞く相手の服装に現れています。
子どもたちも「違う国に行っちゃった!」「こんなところまで来たのにいないね」と、飼い主と一緒に世界旅行へ。
次の国に行くまでの描かれていない物語に想像が膨らみ、自分だけの物語を作り出せるのです。
さて、そんなネコ探しの旅もついに終着点へ。
そこに待っていたのは「え!?思ったより・・・」な結末でした。
その結末には子どもたちも、口々に感想を言わずにはいられません。
わかりやすい繰り返しで、ネコを探しながら世界中を旅させてくれる。
途中も最後も「えぇ!?」となる絵本です。
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