作:オリヴァー・ジェファーズ 訳:tupera tupera 出版:ほるぷ出版
わたしたちの住む地球。
この星の位置や性質、陸のこと、海のこと、空のこと、昼のこと、夜のこと。
そして、人間のこと。
地球の色々なことが優しく、わかりやすく描かれた絵本です。
あらすじ
ぼくらは太陽系の中にある地球に住んでいる。
地球は陸と海に大きく分けられる。
陸はぼくたちの住んでいる所だから、色々わかっている。
海はまだまだ分からない事も多い。
それから、君の上に広がっているのが空。
この地球にはたくさんの人間がいる。
人間にとって一番大事なのは、飲むこと、食べること、温めること。
人間は色も形も大きさもそれぞれ違う。
でも、みんな同じ人間なんだ。
動物もいる。
動物は人間よりもいろんな形や大きさがある。
人間の言葉は話せないけど、仲良くできないわけじゃない。
君もまだ言葉を話せないかもしれないけれど、すぐに話せるようになるよ。
一日の中で、太陽が出ている間のことを昼。
残りの時間を夜と言う。
この星では、ものごとがゆっくり進むこともあるけれど、あっという間に過ぎてしまうことの方が多い。
だから、時間は大切に使ってね。
その先にも、この地球で暮らすためのメモは続いていきます・・・。
『ほら、ここにいるよ』の素敵なところ
- 「きみ」に語り掛けるメッセージ
- 物凄く優しくわかりやすい言葉で描かれる地球のこと、宇宙のこと
- 道しるべになる、生きるためのメモ
この絵本は読んでいる「きみ」へ、描いている「ぼく」からのメッセージです。
絵本の中の全ての言葉が呼んでいる「きみ」へ向けられ、語りかけられています。
読んでいると、誰か(お父さんのような)と話しているような不思議な感覚になります。
そのメッセージは、大人と子どもが二人で話す時のように、とても優しく、温かく、わかりやすいことばで描かれます。
陸の説明では絵に「とても冷たい」「とんがっている」「あつい」「乾いている」「たいら」のように説明が書いてあったり。
空の説明では「空は青い時もあれば・・・えーっと・・・青くない時もある」「風(空気が動いている)」「雨(水が落ちてくる)」など、
子どもが「どうして?」「なんで?」と聞いてきたときに、わかりやすく答える時のような言葉と絵で描かれているのです。
そして、地球のことだけではなく、人間や、人間が生きていく上での大切なことも語られます。
それは「色や形が違っても、同じ人間であること」「動物とも仲良くできること」「時間はあっという間に過ぎ去ること」「まだまだわからにことはたくさんあり、それは自分の力で見つけていくこと」など、
どんな生き方をする上でも、とても大切になることばかりです。
それが「ぼく」と「きみ」という形により、真っ直ぐに伝わってくるのです。
宇宙や地球、人間、生き方。
本当にたくさんのことが詰った、まさに「この地球で暮らすためのメモ」と言える絵本です。
コメント