作:新井洋行 出版:講談社
身近にたくさんある四角。
踏み台、ソファ、テレビなどなど。
四角だからこその役割がたくさんあると思います。
でも、四角だからこそされてしまうこともあるのです。
あらすじ
ぼくは四角いので本屋さんにいると・・・
踏まれます。
ソファーにいると・・・
抱きしめられます。
ベッドにいると・・・
枕にされます。
ゲームの側にいると・・・
転がされます。
四角いので他にも色々されてしまいます。
『しかくいので』の素敵なところ
- 想像の範囲内から、予想外の使われ方まで
- 想像が膨らむ擬音と語り
- 身近にある四角へも視野が広がる
この絵本の四角の使われ方は多種多様。
踏み台や枕、サイコロなどに使われるのは、みんな大体予想がつきます。
でも、「はらっぱにいると」や「お皿の上にいると」など、予想外の使われ方もされるので油断が出来ません。
大人でも「なるほど!」と思わされることもしばしば。
それがとても気持ちのよい語りで展開されていきます。
語呂とセンスのよさからか、子どももあっという間に暗記してしまうのです。
そして、何度読んでも笑うのです。
四角の使われ方だけでなく、読んでいると四角の質感なども気になっていきます。
それは踏まれると「ぐにゅ」
抱きしめられると「むぎゅ」
など、その都度擬音が入るので、色々な想像が膨らむのです。
子どもたちも
「柔らかいのかな?」
「サイコロの時は固そう」
と、使われ方だけでなく、四角そのものにも興味を持っていました。
この絵本の素敵なところは、絵本を飛び出して、身近な四角にも視野が広がるところです。
普段何気なく接していた四角に、「これも四角だ!」と気付くようになるのです。
まるで、見えていなかったものが見えるようになったかのように。
四角の使い方と、身近な四角を再発見させてくれる。
読むと笑いの絶えない絵本です。
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