文:小風さち 絵:山口マオ 出版:福音館書店
一度読んだら、他のシリーズも読みたくなる。
それほどまでに魅力的なわにわにのキャラクター。
とっても強面で、動きもとってもリアルワニなのにチャーミング。
そんな不思議なわにわにワールドに足を踏み入れてみてください。
あらずじ
わにわにはお腹が空きました。
そこで台所で食べ物を探し始めます。
そして冷蔵庫を開けると美味しそうな肉!
それを料理して食べることにしました。
わにわには美味しく肉を食べることが出来のでしょうか。
『わにわにのごちそう』の素敵なところ
- わにわにの動きがリアル
- 音もリアルわに
- 絵もリアルわに
この絵本の魅力はわにらしさと、おちゃめさのギャップです。
移動は基本4足歩行です。
台所に入ってくるときも「ずりずずず ずりずずず」とリアルな音を立てながら四足歩行で入ってきます。
なのに料理となると、立ち上がりフライパンを使いこなします。
エプロンもつけます。
でも、肉を食べるときは野生です。
皿をひっくり返し、かぶりつきます。
「がふがふがふ むちゃむちゃむちゃ」と。
気づいたら、そのリアルさとキャラクター性の狭間で夢中になっているのです。
こればかりは絵を見て読んでみないと魅力は伝わらないと思います。
そして読んだら最後、自分も子どもたちもわにわにの虜になっていることでしょう。
『わにわにのごちそう』のおすすめの読み方
- 低いドスのきいた声で、ゆっくりと読む
- わにわにの野生感を大切に
- 食べるところだけほんのちょっとテンションを上げる
全体を通して重厚感を出しながら読むのがおすすめです。
大きな重たいわにが腹を引きずりながら、這いずってくる不気味さを表現していきましょう。
それによって、怖そうな絵と相まって、子どもはなにか恐ろしいことが起こるかもしれないと身構えます。
しかし、エプロンをつけ、料理を始めると「あれ?怖くないのかな?」と思い始めます。
そこで、肉を食べるところでは野生のがっつき感を少しテンションを上げて再現します。
でも、テンションを上げすぎると全体の重厚感が薄れてしまうのでほどほどに。
そこで子どもは「やっぱりわにだ!」と改めて思います。
そして最後にお腹いっぱいの笑顔を見て、わにわにに惚れてしまうのです。
わに感を大切にキャラクター絵本でもまれにみる強面で重厚感がありつつチャーミングなわにわにワールドを堪能しつつ、ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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