おおきくなったらきみはなんになる?(4歳~)

絵本

文:藤本ともひこ 絵:村上康成 出版:講談社

将来の夢、大きくなったらやりたいこと。

そこには無限の道が広がっています。

そんな未来の世界への想像を膨らませて、力強く背中を押してくれる絵本です。

あらすじ

なりたいものはいっぱいあって、みんな違う。

花が大好きなお花屋さん。

病気を治してくれるお医者さん。

諦めず戦い続けるサッカー選手。

子どもが大好きな先生。

なりたいものだけじゃなくて、好きなものやしたいこともある。

はらっぱに寝っ転がったり、生き物を観察したり、大きな声で歌ったり、釣りをしたり。

色んなことをしているうち、好きなものや大切なものを見つけることがある。

誰かが無理だって言うかもしれない。

でも、そんな時は・・・。

『おおきくなったらきみはなんになる?』の素敵なところ

  • 仕事の内容だけじゃない深い仕事紹介
  • 仕事だけじゃない、好きなことやりたいことへも想像力を羽ばたかせてくれる
  • 力強く背中を押してくれる

この絵本は将来の仕事を見てみるところから始まります。

花屋さんにお医者さん、先生、サッカー選手と、色々なタイプの仕事が出てきます。

でも、ただ仕事の内容を伝えるだけではありません。

花屋さんなら「花のおかげで、どんなに気持ちが優しくなるか知ってるよ」

サッカー選手なら「試合の最後まで走れるように、体を強くする」

先生なら「悲しい時は、いつもぎゅっと、抱きしめてくれる」

といったように、その仕事への心構えや、表面的ではない深い部分の仕事内容まで描かれているのです。

それにより、さらに深くイメージ出来て、

「お花屋さんもいいな~」と夢を広げる子。

物凄く真剣な顔で見ているサッカー選手志望の子。

といったように、「これになる!」「やりたいやりたい!」という言葉とはまた違った重みや真剣さを感じました。

また、「大きくなったらなんになる?」が仕事だけじゃないのも、この絵本の本当に素敵なところだと思います。

好きなことや趣味、打ち込めること、大切なもの。

そんな楽しく生きるためのものへも、「おおきくなったらなんになる?」という言葉は向けられています。

きっと仕事だけしか描かれていなかったら、この言葉は窮屈さも感じさせていたでしょう。

ここに好きなこと、やりたいことが加わって、無限に楽しい未来が広がっていくのです。

子どもたちも「これもやりたい!」「あ、これやってみたい!」「これは私も好き!」など、したいこと、なりたいことが溢れだしているようでした。

そんな無限に広がる未来を生きる時。

とても大切なことも、この絵本は伝えてくれます。

それは周りがそれを邪魔しようとしてくる時のこと。

「無理だよ」「出来ないよ」と言ってきた時のこと。

この力強い言葉は、子どもだけじゃなく、大人にとっても大切なことです。

そして、その力強い言葉と絵で、読んでいる人の背中を押してくれるのです。

物凄くわかりやすく、でも、とても深く。

これからの未来について、子どもにも大人にも考えさせてくれる絵本です。

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