作:西平あかね 出版:福音館書店
おばけは夜に出て来るもの。
じゃあ、人を驚かす以外の時間は何をしているのだろう。
子どもは?お母さんは?
そんな素朴な疑問を解決してくれる一冊です。
あらすじ
夜になり、人間のさきちゃんとたろうくんの一家は寝る時間です。
そのころ、おばけのさくぴー、たろぽうの一家は仕事や保育園に行く準備を始めます。
みんなが出かけるとお母さんは家事をして、買い物にも出かけます。
そして、人間一家が起きるころ、おばけ一家は仕事や保育園から帰ってきます。
人間が朝ごはんを食べるころ、おばけは晩御飯の時間です。
さきちゃんとたろうくんが保育園に行くころには、おばけ家族はおやすみなさい。
・・・平和に一日が終わるかと思いきや、眠れないたろぽうは布団を抜け出し出かけてしまいます。
お母さんには「寝ないと人間になっちゃうわよ」と言われているのに。
本当に人間になってしまうのでしょうか。
『おばけかぞくのいちにち』の素敵なところ
- かわいく温かみのある絵で細部まで描き込まれている
- でも、おばけらしさは忘れない
- 本文以外のセリフが楽しい
暖かなタッチで、かわいく描かれている両一家。
それだけではなく、保育園で遊んでいる他のおばけの子や、スーパーの品物、食卓などとても細かく描かれていて、よーく見るとたくさんの発見があります。
そんなかわいらしいおばけ一家ですが、お父さんの仕事は人を脅かす仕事。
食卓には毒キノコサラダにクモの巣スープ。
細かなところにおばけらしさを出しています。
また、本文以外でおばけ家族がたくさんおしゃべりをしています。
「もうあさよ。早く寝なさい」「あーこぼれたー」などなどその会話も見逃せません。
というより、そっちの方がメインかも。
絵を見るだけでも、読み聞かせでも、自分で読んでもとても楽しい絵本です。
『おばけかぞくのいちにち』のおすすめの読み方
- 絵をゆっくりと見せながら読む
- 子どもの言葉にしっかり反応を返していく
- おばけのセリフはなりきって
細かな絵やおばけたちの動きなど、よーく見ておばけがどんな生活をしているか発見するのがこの絵本の醍醐味の一つです。
ただ静かに読むなんてもったいない。
「こぼしてる!」「くものすスープまずそう」などなど、子どもたちからたくさんの言葉が出てくると思うので、反応を返し、お話ししつつ読み進めていくと楽しい絵本です。
そして、本文とおばけたちのセリフがごっちゃにならないように、本文を読んだ後、少し間を置いてから声色を合わせてセリフを読んでいくと聞きやすいと思います。
おばけたちの普段の生活を覗き見られるこの一冊。
ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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