作:ふくべあきひろ 絵:かわしまななえ 出版:PHP研究所
怖いけれど特徴的なおばけたち。
そんなおばけに自分がなったらどんなことが出来るんだろう。
そんな素朴な空想をしたときに読みたい絵本。
ずっとは嫌だから、いちにちだけおばけ体験をしちゃいます。
あらすじ
おばけが怖くて眠れない男の子。
自分がおばけになったら怖くなくなるかもしれない・・・。
ということで、いちにちおばけになってみよう。
いちにちからかさおばけになったら・・・
雨が降ってもへっちゃら。
いちにち口裂け女になったら・・・
ケーキもピザもなんでも一口。
おばけって結構楽しいかもと、次々変身していきます。
果たしておばけが怖くなくなりぐっすりと眠れるのでしょうか。
そして、おばけより怖いものも・・・。
『いちにちおばけ』の素敵なところ
- 結構怖い絵
- おばけの楽しいところ探しという発想の転換
- 読んでいると、子どものなりたいおばけが見つかる
この絵本、おばけの絵が結構怖い。
特に初見だと怖がる子が多いです。
段々離れていく子や、気づいたらカーテンの後ろに隠れている子など。
でも、何度か読んでいくうちに怖い所と楽しいところのギャップがわかってくると、この怖い絵がとてもいい味を出してくれます。
怖いからこそ楽しいがしっかり活きるのです。
そして、なにより素敵なところがおばけの能力を活かした楽しいを見つけられるところ。
怖いけどこんないいところもあるという物事の多面性を、自然に考えさせてくれる絵本です。
また、読んでいるうちに自然と「かっぱになりたい!だって速く泳ぎたいもん!」など自分のなりたいおばけが出てきます。
「もしなったらどうする?」と深堀したり、ごっこ遊びに繋げたりと子どもたちの日常の発想や遊びに繋がっていくところも素敵なところです。
おばけの楽しいと一緒に子どもの楽しいが詰まった一冊になっています。
『いちにちおばけ』のおすすめの読み方
- おばけに変身する「こわい」ページと、次の「たのしい」のページを読み分ける
- 次のおばけに行く前に子どもたちの反応をしっかり聞いていく
- 読み終わった後、子どものもしも話を聞いてみる
おばけに変身するページは怖い絵で描かれているので怖い雰囲気で読みます。
そしてページをめくるとおばけの楽しい一面が出てくるので、がらりと雰囲気を変え明るい雰囲気で読んでいきましょう。
また、おばけに変身するときにメデューサなど、子どもに馴染みの薄いおばけも出てきます。
「メデューサってなに?」などの質問もよく出るので、特徴などを伝えどんなおばけかわかってからページをめくった方が楽しめます。
他にも色々な反応が返ってくると思うので、やり取りをしてから次のお化けに行くと、より子どもたちの発想や空想が広がっていくと思います。
最後に読み終わった後、子どもの話を聞いてみると面白いです。
おばけがクラスにいたらなどのもしも話も盛り上がっておすすめですよ。
ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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