作:ふじもとのりこ 出版:世界文化社
眠そうな表情、仕草、寝顔。
人でも動物でもその様子にはかわいさと心地よさが詰まっています。
そんなかわいさと、心地よさをいっぱいに詰め込んだ絵本です。
あらすじ
猫があくびをしています。
「ねこちゃんねむねむねんころりん」
猫は丸くなって寝てしまいました。
「まあるくねんねねんころりんねんねんころりねん・・・」
「ころりん!」と猫は転がってお腹を見せて仰向けに。
犬が目を閉じて眠そうにしています。
「わんちゃんねむねむねんころりん」
犬も丸くなって寝てしまいました。
「くるんとねんねねんころりんねんねんころりねん・・・」
「ころりん!」と犬も転がって仰向けに。
ウサギも赤ちゃんもみんな「ねんねんころりんねん・・・」
「ころり!」
『ねんねんころりん』の素敵なところ
- 実写と間違うほどリアルな絵
- 言いたくなる繰り返しの文章
- 自然と体が動いてしまう「ころりん!」
この絵本を見て、まず驚くのは実写なのかと思うほどリアルな絵です。
猫も犬もウサギも赤ちゃんも、みんな本物そっくりです。
表情や動きなど、まるで絵本の中で生きているみたい。
だからこそ、眠そうな表情や仕草が本当に眠そうでかわいいのです。
この、こちらの眠気まで誘う表情はリアルだからこそ出来るのだと思います。
思わず一緒にあくびが出てしまうほど。
そんなリアルでかわいい動物たちを見ているだけでもかわいく、楽しく、癒されます。
また絵だけでなく、文章も聞いていて心地の良い繰り返しで出来ています。
きっと、「ねむねむ」や「ねんねん」「ねんころりん」は子どもが言いやすい言葉というのもあるのでしょう。
赤ちゃんもお兄ちゃん、お姉ちゃんも真似したくなってしまう魅力があります。
そして、繰り返し言っていると、力が抜けて眠たくなってくるのも不思議なところです。
さて、そんな魅力的な言葉の数々ですが、その中に子どもを動かす魔法の言葉が入っています。
それは「ころりん!」。
これを聞いた子どもは、小さければ小さいほど、体が転がってしまいます。
面白いほど、絵本とリンクして「ころりん!」と転がり出すのです。
きっと理屈ではないのでしょう。
動物たちが転がっているのに「ころりん!」と言われて自分も転がらないわけにはいかないのです。
動物たちや赤ちゃんの、かわいい姿や表情に癒されつつ、耳も口も心も体も心地よい絵本です。
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