ぞうのエルマー(4歳~)

絵本

文・絵:デビッド・マッキー 訳:きたむらさとし 出版:BL出版

‟普通”とは違うパッチワークのぞうのエルマー。

見た目の違いが気になる時期は誰しもあると思います。

そんな時にこの絵本を読むと、見た目以上に大切な自分の本質や周りからの見え方を考えるきっかけになるかもしれません。

あらすじ

カラフルなパッチワークのぞうのエルマー。

いたずら好きの明るい人気者で、エルマーがいるとみんな笑顔に。

しかしある時、自分だけ見た目が違うことが気になりだします。

もしかして、見た目が変だからみんな笑っているのではないだろうかと。

そこでエルマーはこっそりと抜け出して、森の中でぞう色の木の実を潰し、体中に塗ってぞう色になり群れへ戻りました。

すると、いつもエルマーと笑顔でいるぞう達が少しも笑わず、真面目な顔で押し黙っているのです。

それを見ていたエルマーは我慢できなくなりいたずらをすることに。

エルマーのいたずらにぞう達はどんな反応を見せるのでしょうか。

『ぞうのエルマー』の素敵なところ

  • 色彩豊かに描かれるエルマーやぞう、その世界
  • 見た目が‟普通”と違うという、誰もが通るであろう問題をわかりやすく、ユーモラスに解決していく
  • 一度読んだら好きになってしまうキャラクター性

まず目を奪うのはパッチワークの綺麗な色彩。

それはパッチワークだけでなく、ページをめくるごとに姿を現す森の木々や、鳥などの動物たちも同様です。

形も特徴的でついついじっくり見てしまうほど綺麗です。

また、ぞう達や森の動物たちも表情豊かで生き生きとしています。

そんな世界の中で、‟普通”とは見た目が違うエルマーが‟普通”の見た目になったらという実験を始めます。

「もっと見た目が○○だったら」そんなことを思う人は多いのではないでしょうか。

そんな考えに、みんなを笑顔にしていたのは見た目ではなく中身だったというエルマーの姿は元気や勇気を与えてくれるかもしれません。

子どもにもわかりやすい単純さゆえに心を打つものがあります。

きっと読み終わったころには無邪気で好奇心旺盛なエルマーのファンになっていることでしょう。

そんな楽しさの中に深さも併せ持つ絵本です。

『ぞうのエルマー』のおすすめの読み方

  • 年齢に応じて補足しつつ読む
  • 文章量が多いのでゆっくり目のペースで
  • 「ブオオオー!」は全力で

月齢が低かったり、物語に慣れていないとぞう色になったあたりで、どれがエルマーなのか頭がこんがらがってしまいがちです。

ぞう色になって森を戻っていくところなどで「これ誰?」と聞いてみるなど、少し補足していくとその後の展開についていきやすくなると思います。

また、一ページ文章量が多めなのでゆっくり目に読み、子どもたちが自然に物語に入ってこれるように意識していきましょう。

そして「ブオオオ-!」の一ページはぞう達が驚くほど全力で読みましょう。

ここから一気に物語の雰囲気が変わる転換点でもあるため、メリハリをつけていくといいでしょう。

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