作:おかいみほ 出版:BL出版
こんなに美味しそうな朝ごはんの絵本があるでしょうか。
美味しそうなだけではありません。
キャラクターたちのコミカルな動きや、かわいさに見ているだけで楽しくなります。
読み終わった時、朝ごはんが食べたくなる絵本です。
あらすじ
ごはん村では毎朝運動会が開かれています。
いちについてよーい・・・どんぶり。
目玉焼きに、卵焼き、しょうゆ、豆腐、のりなど、食べ物たちが走ります。
やかんにお皿、きゅうすなど、食器たちも走ります。
転んだり、休憩したり、居眠りしたり・・・。
接戦を繰り広げながらも、順番にゴールイン。
美味しい朝ごはんが出来ました。
『いちばーんのり』の素敵なところ
- かわいくコミカルな絵と最後の写実的な絵
- 余すところなく朝ごはん
- リズムと語呂がいい真似したくなる文章
コミカルにかわいらしく走っていく村の住民たち。
躍動感や、表情の一つ一つまで生き生きと描かれています。
しかし、最後の食卓に並ぶ場面だけは、まるで焼き魚やみそ汁の匂いがしてきそうな、とても写実的な絵になります。
思わず涎が出てしまうほど。
そして、その絵には走って来た住人たちがちゃんと全員登場しています。
それだけではなく、「カンカンで転んでかんかんに怒る」やかんでお湯が沸いたり、
豆腐がみそ汁に追いつき、一緒にゴールしてみそ汁に入るなどレース中に起こったことが朝ごはんに繋がっているのです。
それをリズムよく、語呂もよい気持ちのいい文章で描かれているのです。
読んでいても、聞いていても思わず楽しくなって、お腹が空いてくる絵本です。
『いちばーんのり』のおすすめの読み方
- テンポよくリズミカルに読んでいく
- ゆっくり絵を見たり、子どもに反応を返すのは文章を読んでから
- 朝ごはんが完成したページでは食べる真似をしたりやり取りを楽しむ
この絵本の醍醐味はそのテンポの良い文章です。
子どもから話しかけられても、リズムを止めず、その文章まで読み切ってから反応を返しましょう。
ゆっくりと絵を見たい絵本でもあるので、そのページの文章を読んだ後にその場面をゆっくり見たりするとよいでしょう。
そして、美味しそうな朝ごはんが出来た場面では、今朝何を食べたかや、どれが食べたいか、食べる真似をするなど、お腹の空くやり取りを楽しみましょう。
ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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