作:森あさ子 出版:ポプラ社
「ぱかっ」っと開くと、何か出てくる。
かわいいもの、美味しそうなもの、予想外のもの。
とっても単純で、とっても楽しい絵本です。
あらすじ
たまごがあります。
「ぱかっ」
中からヒヨコが出てきました。
ワニがいます。
「ぱかっ」
口を開けると、中には鳥が立っていました。
お弁当箱があります。
「ぱかっ」
ふたを開けると美味しそうなご飯が詰まっています。
さてさて、次はなにが「ぱかつ」っと開くのでしょうか。
『ぱかっ』の素敵なところ
- 真似したくなる「ぱかっ」
- 小さい子も大きい子も楽しめる「ぱかっ」の中身
- 文章が少ないことで想像力が広がっていく
この絵本の魅力は、とてもわかりやすい言葉の繰り返しで描かれていることです。
「たまごさんたまごさん」
「ぱかっ」(ヒヨコが出てくる)
「ワニさんワニさん」
「ぱかっ」(ワニが口を開く)
といったように難しい言い回しや展開は一切ありません。
また、その繰り返しのリズムや、「ぱかっ」という特徴的な音を聞いていると、自然と一緒に言いたくなってくるのです。
小さい子も大きい子も「ぱかっ」を心待ちにしているのが面白いところ。
小さい子は手で割る真似をしたり、一緒に言おうとしてみたり、面白さを表情で伝えてきます。
大きい子は読み手に合わせて「ぱかっ」っと言ったり、友だち同士で「せーのっ」と合わせて「ぱかっ」でページをめくったりしています。
音だけでなく「ぱかっ」の中身も面白いものばかり。
たまごが割れてひよこ。
お弁当箱の蓋が開いて食べ物。
など、ストレートなものだけでなく、
ワニの口の中に小鳥。
など、「えー!?」と言ってしまうものも多数。
これには大きな子たちもびっくりです。
それぞれの年齢ごとに中身を見た時の反応が違うのもこの絵本の魅力だと思います。
また、その反応だけじゃなく、そこから想像力が広がるのも面白いところです。
ひよこを見て、「ピヨピヨって鳴いてるみたい」「お腹すいたーって言ってるんだよ」
ワニの口の中の小鳥を見て、「食べられてる!」「友だちで遊んでるんじゃない」
などなど、文章が少ないからこその想像遊びが出来るのです。
これもそれぞれの年齢、それぞれの子ごとに十人十色。
他の子と意見が混ざり合って、さらに想像力が広がるのもとても面白いです。
小さい子から大きい子までそれぞれの楽しみ方が出来る。
とっても単純で、とってもわかりやすく、物凄く楽しい絵本です。
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