文:ヴァレリー・トーマス 絵:コーキー・ポール 訳:もとしたいづみ 出版:静山社
魔女ってどんな家に住んでいるんだろう。
魔女ってどんな魔法を使うんだろう。
魔女って困ることはあるのかな。
そんな疑問に魔女らしく答えてくれる絵本です。
あらすじ
森の中の真っ黒い家に住んでいる魔女のウィニー。
黒猫のウィルバーと暮らしていました。
しかし、黒猫が黒い家に住んでいると困ったことが起こります。
黒い椅子の上にウィルバーが座っていると気づかず座ってしまったり
黒いカーペットで寝ていると気づかず座ってしまったり・・・。
そこで、魔法を使いウィルバーを緑色にしてしまいました。
家の中ではよかったのですが、外に出すと緑の草むら。
結局気づかずつまずいてしまいました。
するとウィニーはウィルバーに魔法をかけて、体を5色にしてしまいました。
これでどこにいてもわかります。
でも、ウィルバーは高い木のてっぺんに登ると降りてこなくなってしまいました。
自分の体の色が恥ずかしかったのです。
次の日の朝になっても木から降りてはきませんでした。
ウィニーも悲しくなってしまいます。
二人は無事に解決することが出来るのでしょうか。
『まじょのウィニー』の素敵なところ
- とても魔女らしいウィニーの暮らし
- 緻密に描きこまれた絵
- 綺麗で夢のある魔法
ウィニーの暮らしは古典的なまさに魔女。
全部真っ黒で、棚には頭蓋骨や古ぼけた本や、蛇にカラス。
床には怪しい壺から虫が飛び出している。
そんな中で真っ黒なコーヒーを飲んだり、本のページをめくったりするウィニーは魔女そのものです。
極めつけは魔法の呪文が「アブラカタブラ」なんですから。
それをさらに盛り立てるのが、緻密に描きこまれた美しい絵です。
小物一つから、家の装飾まで細かに模様が描かれていたりとこだわって描かれています。
特にすごいのが家の全景。
各部屋の中がすべて見られるようになっていて、その描き込みの細かいこと。
それを見ているだけで発見が止まりません。
その前提があるからこそ、ウィニーの使う色の魔法の綺麗さ、鮮やかさが際立ちます。
物語の最後に使うとても素敵な魔法にも。
この絵本を読み終わった時、絵の具で色を塗りたい衝動に襲われます。
ただただ気の向くままに。
そんな素敵な絵本です。
『まじょのウィニー』のおすすめの読み方
- 子どもの発見を聞きつつも、話の流れが途切れないように読む
この絵本、発見することが多すぎて、発見するたび子どもから声が上がることが多いです。
でも、止まりすぎると話の流れがわからなくなりやすい。
なので、止まり過ぎないよう目配せや、読みながら言われたところを指さすなどの進行が止まらないような反応の仕方がおすすめです。
そして、読み終わった後はじっくり絵を見る時間を作るなど、思う存分発見を楽しむのがいいのではないかと思います。
ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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