作:工藤ノリコ 出版:白泉社
欲望に忠実なのらねこぐんだん。
お団子をお腹いっぱい食べるため、団子屋さんに忍び込む。
しかし、予想外の来客にお団子を取られてしまいます。
その正体とは・・・。
あらすじ
犬のワンワンちゃんのお団子屋さんがありました。
店内の様子を窓からこっそりのぞいているのは8匹のネコたち。
彼らはのらねこぐんだんです。
お団子が食べたくなったのらねこぐんだんは、夜になるとお店へ忍び込みました。
みんなでお団子を作り、大量のお団子が完成!
お茶も入れ、いよいよ食べようとしたその時・・・。
3本の竜巻が現れ、お店を壊し、お団子を全て巻き込んでいってしまったのです。
竜巻を追いかけるのらねこぐんだん。
一方、ワンワンちゃんもお店が壊れていることに気付きます。
のらねこぐんだんを追うワンワンちゃん。
薄気味悪いを抜けると、一本の木を見つけたのらねこぐんだん。
木の穴の中から、「ムシャムシャ」と食べている音がします。
のらねこぐんだんが誰かいるか尋ねてみると、中から3匹のオバケが飛び出しました!
オバケに追い詰められる絶体絶命ののらねこぐんだん。
果たして、どうなってしまうのでしょう。
『のらねこぐんだん~おばけのやま~』の素敵なところ
- どこか憎めないのらねこぐんだんのキャラクター
- 予想外のオバケたちの正体
- 最後はお約束の流れ
目つきも人相も悪いのらねこぐんだん。
8匹で見つめる姿は威圧感を感じるほど。
お店に忍び込んで勝手に団子を作るなど、ろくなことをしません。
ですが、その欲望に忠実で一生懸命な姿はなんだか憎めない。
被害者は完全にワンワンちゃんなのに、なぜかお団子を取り返すのを応援したくなってしまいます。
それがのらねこぐんだんの魅力でもあるのです。
さて、たつ巻を追いかけていったら、そこにいたのはオバケたち。
ですが、その正体は意外なものでした。
オバケだけでなく、のらねこぐんだんを助けてくれた人の正体も予想外。
驚きの連続に「え~そうだったの!?」と驚きの反応をする子どもたち。
オバケの正体には驚く子どもたちでしたが、その後の展開には驚きません。
なぜなら、のらねこぐんだんのお約束だからです。
ワンワンちゃんに正座させられお説教。
「こんなことしていいと思っているんですか?」とワンワンちゃんに詰められます。
「いいと思ってません。ニャー」と答えるしかないのらねこぐんだん。
シリーズ恒例のこのやり取りに、
「また怒られてる」
「確かにのらねこぐんだんが悪い」
「ほんと懲りないよね~」
と子どもたちから呆れつつも、楽しそうな声が聞こえてきます。
そして、安心感のある笑いで終わるのです。
いつものお約束と、予想外の展開と冒険。
それらが合わさり、何度読んでも面白く、何度も読みたくなるシリーズ絵本です。
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