のらねこぐんだん~おばけのやま~(3歳~)

絵本

作:工藤ノリコ 出版:白泉社

欲望に忠実なのらねこぐんだん。

お団子をお腹いっぱい食べるため、団子屋さんに忍び込む。

しかし、予想外の来客にお団子を取られてしまいます。

その正体とは・・・。

あらすじ

犬のワンワンちゃんのお団子屋さんがありました。

店内の様子を窓からこっそりのぞいているのは8匹のネコたち。

彼らはのらねこぐんだんです。

お団子が食べたくなったのらねこぐんだんは、夜になるとお店へ忍び込みました。

みんなでお団子を作り、大量のお団子が完成!

お茶も入れ、いよいよ食べようとしたその時・・・。

3本の竜巻が現れ、お店を壊し、お団子を全て巻き込んでいってしまったのです。

竜巻を追いかけるのらねこぐんだん。

一方、ワンワンちゃんもお店が壊れていることに気付きます。

のらねこぐんだんを追うワンワンちゃん。

薄気味悪いを抜けると、一本の木を見つけたのらねこぐんだん。

木の穴の中から、「ムシャムシャ」と食べている音がします。

のらねこぐんだんが誰かいるか尋ねてみると、中から3匹のオバケが飛び出しました!

オバケに追い詰められる絶体絶命ののらねこぐんだん。

果たして、どうなってしまうのでしょう。

『のらねこぐんだん~おばけのやま~』の素敵なところ

  • どこか憎めないのらねこぐんだんのキャラクター
  • 予想外のオバケたちの正体
  • 最後はお約束の流れ

目つきも人相も悪いのらねこぐんだん。

8匹で見つめる姿は威圧感を感じるほど。

お店に忍び込んで勝手に団子を作るなど、ろくなことをしません。

ですが、その欲望に忠実で一生懸命な姿はなんだか憎めない。

被害者は完全にワンワンちゃんなのに、なぜかお団子を取り返すのを応援したくなってしまいます。

それがのらねこぐんだんの魅力でもあるのです。

さて、たつ巻を追いかけていったら、そこにいたのはオバケたち。

ですが、その正体は意外なものでした。

オバケだけでなく、のらねこぐんだんを助けてくれた人の正体も予想外。

驚きの連続に「え~そうだったの!?」と驚きの反応をする子どもたち。

オバケの正体には驚く子どもたちでしたが、その後の展開には驚きません。

なぜなら、のらねこぐんだんのお約束だからです。

ワンワンちゃんに正座させられお説教。

「こんなことしていいと思っているんですか?」とワンワンちゃんに詰められます。

「いいと思ってません。ニャー」と答えるしかないのらねこぐんだん。

シリーズ恒例のこのやり取りに、

「また怒られてる」

「確かにのらねこぐんだんが悪い」

「ほんと懲りないよね~」

と子どもたちから呆れつつも、楽しそうな声が聞こえてきます。

そして、安心感のある笑いで終わるのです。

いつものお約束と、予想外の展開と冒険。

それらが合わさり、何度読んでも面白く、何度も読みたくなるシリーズ絵本です。

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