作:accototoふくだとしお+あきこ 出版:幻冬舎
当たり前のように起こっている食物連鎖。
同時に忘れやすくもなっている食物連鎖。
それをカジュアルにリアルにわかりやすく描かれた絵本。
読み終わると自分の食べているものへ自然と視線が向く絵本です。
あらすじ
月曜日、ひゅるりと風が吹く丘ですとんと木から実が落ちた。
それを虫がムシャムシャ食べた。
火曜日、パタパタ虫が飛び出した。
それを魚がぱくっと食べた。
水曜日、水の中を魚が泳いでいた。
大きな魚が来たので逃げ出してぱしゃんと跳ねると、鳥がひょいっと魚を食べた。
この食物連鎖はどこに進んでいくのでしょう。
終着点はあるのでしょうか。
『ひゅるりとかぜのふくおかで』の素敵なところ
- かわいい絵で自然に描かれる食物連鎖
- わかりやすい文章とリズムで読んでいて心地がいい
- 最後の場面を読むと自分たちの食べているものについて考えさせられる
とてもかわいい絵で描かれる、残酷な食物連鎖。
初めて見た子は「え?食べられちゃったよ」と驚きます。
善悪は全くなく、心地よい文章のリズムで淡々と描かれます。
だからこそ考えます。
身近なアリやクモが生き物を食べること。
そして、それらもまた鳥などに食べられるかもしれないことを。
「かわいそう」という声も出てきます。
そこで、最後の場面に繋がります。
みんなの食べる魚や肉、植物はどのように食卓に上っているのか。
どうやってスーパーなどに並ぶのか。
「かわいそう」のその先を自然と考えさせてくれる絵本です。
『ひゅるりとかぜのふくおかで』のおすすめの読み方
- 文章のリズムを大切に淡々と読んでいく
- 善悪を持ち込まない
- 自分たちの食べているものについて考えてみる
文章のリズムに合わせて歌うように読んでいきましょう。
それにより食物連鎖がより自然に心の中に入ってくると思います。
子どもからは「かわいそう」など食べられた側の声がたくさん上がるでしょう。
それに答えてしまうと食べた側は悪になってしまいやすいです。
感じ方は子どもに任せて読み進めていきましょう。
そして最後に「じゃあ、みんなの食べているお肉は?」と問いかけてみましょう。
みんなはどこから来ていると思っているでしょう。
誰が殺してお肉にしてくれているのでしょう。
そういうことを考えるいい機会になるかもしれません。
ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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