作:視覚デザイン研究所 絵:くにすえたくし 出版:視覚デザイン研究所
あんな新幹線や、こんな新幹線。
最新型から0系に、東北から九州までたくさんの新幹線が出てきます。
その絵のリアルで細かいこと。
連結場面まで網羅したオタクにはたまらない、マニアックな場面続出の絵本です。
あらすじ
けんたは秋田のおじいちゃんのうちから帰るため、初めて一人で新幹線に乗ります。
こまちに乗り込み出発。
盛岡駅ではやぶさと連結して東京駅へ。
N700系に乗り換えて新大阪駅へ行く途中、ドクターイエローにすれ違いました。
新大阪駅ではさくらに乗り換えます。
切符がなかなか見つからない事件もありつつ、無事に熊本駅に到着。
お母さんに会うことが出来ました。
『しんかんせんでビューン』の素敵なところ
- オタク心をガッチリつかむ場面の数々
- キャラクターは動物なのに他の描写は物凄いリアル
- 新幹線探しが楽しい
盛岡駅でのはやぶさとの連結は連結直前の、連結部までが細かく描かれている。
秋田では踏切を通る新幹線。
東京駅ではたくさんの新幹線が乗り入れて整列。
ドクターイエローとすれ違うなど、電車オタクほどテンションが上がる場面が盛り沢山。
メインの場面だけでなく、町の俯瞰図ではトラックではやぶさが運び込まれたり、船で輸送される新幹線の姿が描かれるなど余念がありません。
そして、そのリアルさとキャラクターの動物のかわいさにギャップがすごい。
これはオタク以外の子も楽しみやすくする工夫かもしれません。
でも、連結する場面では一眼レフを持って写真を撮っていたりと、行動はリアルです。
また、本編の最後に出てくる新幹線が全部乗っているのですが、よーく探さないと見つからないものもたくさんあり、それを見つけるのも楽しみの一つです。
実はこの絵本、在来線もたくさん出てくるのですが、視覚デザイン研究所のHPには登場する在来線まで乗っていて、よりマニアックにこの絵本を楽しめるのです・・・。
知れば知るほどどこまでも深く、オタクであればあるほど楽しめる絵本です。
『しんかんせんでビューン』のおすすめの読み方
- オタクの子とわいわい言いながら読む
これに尽きると思います。
普通に全体に読んでもちゃんと盛り上がります。
でも、一番楽しいのは詳しい子の素直な反応とうんちくを聞きながら読むことです。
「あ!八高線!」「これはここでしか見られないんだよ!」などなどあの嬉しそうな顔。
テンションが上がっているのが明らかにわかります。
そして、周りの子との温度差。
色々な意味でこの絵本でしか味わえない楽しみです。
かなりオタク度の高い子の使用にも耐えるこの絵本。
ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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