作:よしながこうたく 出版:講談社
ウルトラマンの故郷M78星雲。
地球で活躍するウルトラマンはみんな大人だけど、子どものときはどんな感じなんだろう。
初めから強くて勇敢なのでしょうか。
そんな疑問に答えてくれる絵本です。
あらすじ
M78星雲から地球にやってきた新たな戦士、ウルトラマンユウキは子どものウルトラマンでした。
さっそく怪獣の前に立ちはだかりますが、その恐ろしさにびっくり。
本物のウルトラマンが現れ怪獣と戦っている間に逃げてしまいました。
しょんぼりしていると地球人の子どもたちはなことけんたに声をかけられ、空手の達人けんたに鍛えてもらうことに。
そして、修行の日々が過ぎていきました。
いよいよ怪獣と戦うことになったユウキでしたが、やっぱり怖くて逃げだしてしまいました。
ですが、そこに現れたもう一匹の怪獣がユウキに襲い掛かります。
ユウキをかばったウルトラマン。
腕に噛みつかれて怪我をしてしまいました。
怪獣は倒しましたが、しばらくは戦えません。
ユウキは自分を責めました。
それと同時にウルトラマンがいない時に怪獣が襲ってくるかもしれない不安も感じました。
それを見ていたけんたが、お父さんが科学特捜隊ですごい武器を作っていると秘密の話を教えてくれ安心させてくれました。
しかし、それを聞いたはなこが宇宙人になりけんたをさらっていってしまいました。
いつの間にか本物のはなこと入れ替わって秘密を探っていたのです。
勝てっこないとわかりながらも助けに向かうユウキ。
はなことけんたを無事に救い出すことが出来るのでしょうか。
『ぼくだってウルトラマン』の素敵なところ
- M78星雲が身近に感じられる
- ウルトラマンがとにかくかっこいい
- 最初からウルトラマンじゃなくてもいいと思わせてくれる
光の戦士たちが暮らす正義の星M78星雲。
そんな手の届かない憧れの場所が、怖がりな子どものウルトラマンを通して、M78星雲にも地球のように子どもがいて、同じように悩んでいる姿を見ることで、とても身近に感じられます。
それはウルトラマンにも同様で、こんな時代を経て今活躍していることを感じさせてくれます。
そんなウルトラマンですが、この絵本のウルトラマン、絵の力強さと迫力が相まってものすごくかっこいいです。
怪獣と戦うところ、ユウキを助けるところ、どれをとっても躍動感と迫力が満点でファンでなくとも見惚れてしまうと思います。
そんなウルトラマンとユウキの対比。
その中で見せる仲間を助けようとする勇気の心。
それは間違いなくウルトラマンに通じるものであり、磨いていくことでウルトラマンへと近づいていくことを感じさせてくれます。
最初から勇敢な光の戦士ではなく、なろうとして努力をしてなっていくものだということを教えてくれる絵本です。
『ぼくだってウルトラマン』のおすすめの読み方
- セリフ以外はウルトラマンのナレーションのように読む
物語の始まりや、途中の文章、物語の終わり方など、昔の特撮ヒーローを意識した作りになっています。
なので、その部分はナレーションのように読んでいくとより、特撮ヒーロー感が出ると思います。
セリフや効果音は臨場感たっぷりに演じ、ナレーションはナレーションらしく読むというメリハリをつけていきましょう。
ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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