作・絵:星野イクミ 出版:すずき出版
ある日、体が伸びてしまったネコ。
伸びた体を便利に使われてしまうネコ。
でも、それはそれで楽しいかもしれにゃい・・・。
あらすじ
ある日、黒ネコのくろちゃんが小さなトンネルを通ろうとした。
しかし、お腹がつっかえて抜けなくなってしまった。
なんとか通り抜けようと頑張ると、なんと体が伸びてしまった。
そんな伸びた体を見た飼い主のお母さんは、くろちゃんの体を物干しざおにして、洗濯物を干しだした。
さらにはその子どもたちが、「すべり台になって」と言う。
くろちゃんは渋々すべり台になってあげた。
さらにさらにジャングルジム、食事の時のテーブルまで、色々なものの代わりに使われてしまう。
そして、ご飯を食べた後は、くろちゃんがハンモックになってみんなでお昼寝・・・。
くろちゃんもいい気持ち・・・。
段々楽しくなってきたくろちゃんは、お出かけに行っても大活躍。
まだまだ色々なものに変身していきます。
『へんしんねこ』の素敵なところ
- なんにでも変身してしまうくろちゃん
- べたゆえに可愛いネコ語
- どんどんスケールが大きくなる変身に大盛り上がり
この絵本の一番の魅力は、ずばりくろちゃんでしょう。
体が伸びた時には「伸びちゃったよ!?」「大丈夫かな・・・」と子どもたちも心配顔。
でしたが、物干しざおにすべり台、ジャングルジムと変身していくくろちゃんを見て、心配は驚きと笑いに。
「洗濯物干されてる~」
「本当にジャングルジムになってる!」
と、心配はどこかへ行ってしまいます。
さらに表情豊かなくろちゃんに、
「いやそうな顔してるよ」
「あ、笑ってる。楽しくなってきたのかな」
など、すっかりくろちゃんに夢中。
変身してもしなくても、魅力的なくろちゃんです。
また、見た目だけじゃなく、しゃべり口調がかわいいのもポイントです。
くろちゃんはしゃべると語尾が「あそぶんじゃにゃい」や「やったにゃん」などネコ語になります。
べたゆえに、かわいさが満点です。
このわかりやすいネコらしさが子どもたちには大うけ。
「にゃいって言ってる!」
「かわいい!」
と、さらに人気を後押しします。
でも、実はくろちゃんの本領は、お出かけしてから発揮されていくのです!
テーブルやハンモックなどの実用品に変身していたんが、どんどんスケールアップしていきます。
それにともない子どもの盛り上がりも、スケールアップしていきます。
「くろちゃんすごい!」
「あそこまで届いちゃったよ!」
などなど、ここまできたら止められません。
「あー楽しかった」と気持ちよく終わります。
伸びた体で予想外のものに変身していくネコ。
そのかわいさと面白さで、右肩上がりに盛り上がっていく、とっても楽しい絵本です。
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