作:レベッカ・グリーン 訳:岸本佐知子 出版:福音館書店
みんな怖がるオバケ。
そんなオバケと友だちになる方法があるとしたら・・・。
あなたは友だちになりたいですか?
あらすじ
怖がられているオバケですが、実はとっても可愛くて、友だちを欲しがっているのです。
はじめに
オバケは簡単に見つけられないので、自分から探すのはやめましょう。
にこにこ親切にしていれば、オバケの方からあなたを見つけてくれます。
オバケが見つけてくれたかもと思ったら、簡単チェックシートで本当にオバケか確かめます。
第一部~オバケの基本
オバケは傷つきやすいので逃げたりしてはいけません。
まずはにっこり笑って手を振り、自分の名前を言いましょう。
いい人だとわかれば、オバケはついてきます。
家に案内しましょう。
第二部~オバケの世話
第三部~ずっといっしょに
と、オバケと友だちになる方法が描かれていきます。
『おばけと友だちになる方法』の素敵なところ
- とっても具体的な方法の数々
- かわいいけれどちゃんとオバケ
- オバケとの一生涯が描かれる
この絵本ではタイトルからもわかる通り、オバケと友だちになる方法が描かれます。
その方法が、飼育図鑑のように物凄く具体的に描かれているのが素敵なところ。
遠慮して家に入らないときは、ふ~っと息を吹きかけて家へ入れてあげる。
オバケの好物だけでなく、オバケと一緒に作る料理のレシピまで細かく描かれる。
オバケのお風呂への入れ方や、子守唄などなど。
細かな注意点までしっかり具体的に描かれます。
見ていると、自分がオバケと友だちになった時のことを、自然と想像できてしまうのです。
子どもたちも「うちだったら、フワフワの毛布あるからベッドにしよう」など、自分の家でのお世話の仕方に思いを巡らせているようでした。
そんなかわいいオバケですが、かわいいだけではありません。
ちゃんとオバケらしい不気味なところもあるのです。
好物がカビだらけビスケットと爪の垢のジャムだったり、好きなことが毛虫拾いだったりと、一緒に暮らすハードルも感じさせてくれます。
でも、それがリアルさをさらに引き立ててくれ、オバケとの暮らしを真剣に考えさえてくれるのです。
さて、この絵本の中で特に素敵だと思ったのが、オバケと出会った子ども時代だけで終わらないところです。
オバケと友だちになった女の子が、大人になり仕事を始め、お母さんになり、そして年老いて亡くなる。
そんな一生涯にわたる、オバケとの友情を描いているのです。
そして、オバケとの友情ならではのその後も・・・。
これもまた、友だちなった後のその後まで想像できて、よりオバケとの生活のイメージを膨らませてくれています。
オバケと友だちになる方法がとても具体的に描かれている。
読めばきっと、あなたもオバケと友だちなることが出来る絵本です。
コメント