作:土屋富士夫 出版:福音館書店
世にも珍しい不思議な手品。
そんな手品の数々を、絵本で楽しむことが出来たなら。
その願いが叶う夢のような絵本です。
あらすじ
手品師が二本のわっかを手に持って、魔法の言葉を唱えます。
あんどら、いんどら、うんどら!
すると、わっかが9本に増えました!
今度は卵を持っています。
あんどら、いんどら、うんどら!
卵を割ると、中から現れたのは大きな花!
お次は6本の白い旗。
あんどら、いんどら、うんどら!
白い旗に色がつき、カラフルな旗になりました!
まだまだ出てくる手品の数々。
ぜひご覧あれ!
『てじな』の素敵なところ
- まるで本物の手品を見ているような臨場感
- 言いたくなる魔法の言葉
- 絵本の仕掛けがより手品感を出している
この絵本、何が素敵って、その本物の手品を見ているような臨場感です。
まるで、本当に手品師が目の前で手品を見せてくれているようなんです。
手品師の語り、ページをめくった瞬間の驚きと華やかさ。
まさにマジックショーそのものなのです。
子どもたちの反応も、
「すごい!」
「お花になった!」
「えー!?」
と、まるで目の前で本当に手品が行われているよう。
この絵本を開いている時間は、本当にマジックショーが開催されているのです。
手品の臨場感を盛り上げてくれる秘密は、絵本の仕掛けにもあるのでしょう。
ページ内の穴から、次のページが見えていて、ページをめくるとその穴が別のものに変化する。
よくある仕掛けの一つですが、手品との相性は抜群です。
何かが増えたり、変化する連続性を、この穴の繋がりが見事に表現してくれています。
そのおかげで、ページをめくっているだけなのに、驚くほど本当に変化しているように見えるのです。
そして、忘れてはいけないのが魔法の言葉。
「あんどら、いんどら・・・うんどら!」
ここにどれだけの、期待とワクワクドキドキ感が集中することか。
さらに一緒に言いたくなる語感も魅力的。
手品を見ながら一緒に言い始めたら、もう完全にこの世界の虜です。
とても簡単な仕掛けの中に、手品の無限の可能性が秘められた。
本当にマジックショーへ参加できる仕掛け絵本です
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