作:いりやまさとし 出版:講談社
つけるのが当たり前になったマスク。
動物たちもマスクをしています。
そんな動物たちには、マスクを取ってやってみたいことが・・・。
あらすじ
マスクをしたカエルさん。
マスクを取ったらなにしたい?
すいすい泳ぎたい!
マスクをつけたライオンさん。
マスクを取ったらなにしたい?
ガオーって叫びたい!
マスクをつけたパンダさん。
マスクを取ったらなにしたい?
にっこり笑いたい!
他にもたくさんのマスクをつけた動物たちが・・・。
『マスクをとったら』の素敵なところ
- ワクワクする「マスクを取ったら・・・」の繰り返し
- マスクをしている時と、取った時の変化
- マスクを取りたい子どもの気持ちに楽しく寄り添ってくれる
この絵本はわかりやすい繰り返しで描かれています。
マスクをしている動物に、「マスクを取ったらなにしたい?」と聞く繰り返し。
聞かれた動物は、マスクを取って思い思いに答えます。
このわかりやすさで小さい子から大きい子まで、「なにがしたいんだろう?」とワクワク続きが気になってしまいます。
そして、それぞれのやりたいことに、
「マスクあったら水に入れないもんね」
「ライオンさんだもんね!」
と、納得したり驚いたりする子どもたち。
このワクワク感とともに、マスクを取る瞬間を真剣に待つ雰囲気がたまりません。
また、マスクをしている時と、マスクを取った時で表情が大きく変化するのも楽しいところ。
マスクをしている時は表情がよくわからない動物たち。
ですが、マスクを取ると叫んだり笑ったり、生き生きとした表情を見せてくれます。
なぜか、子どもたちも動物たちがマスクをしている場面では静かで、マスクを取ると動物たちと一緒に生き生き元気にしゃべり始めるから不思議です。
自分たちがマスクを取った時の解放感と、重ね合わせているのかもしれません。
子どももマスクをするのが当たり前になったこの時代。
この絵本は「マスクを取りたい」という子どもの気持ちを、絵本の中で叶えてくれるものになっています。
動物たちのマスクを通して、マスクを取って思い切り解放感を味わいたいフラストレーションを発散させてくれます。
そして「マスクを取りたい」と言う子に、「マスク取りたいね。マスクを取ったら何したい?」と気持ちに寄り添い、希望を持たせてくれるような優しさを感じさせてもくれるのです。
マスクをするのが当たり前になった時代だからこそ、より子どもたちの気持ちを惹きつける。
マスクを取った解放感を思い切り感じさせてくれる絵本です。
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