作・絵:佐藤文音 出版:神宮館
大きくてモフモフした不思議な猫のニャーチカ。
ニャーチカは素敵なものを探して旅をしています。
そのためなら、空を飛んだり潜水艦に変身したり。
今日も不思議な冒険が始まります。
あらすじ
あるところに、姉弟が暮らしていました。
お姉ちゃんのゆめちゃんと、弟のともくんです。
今日は二人のお母さんの誕生日。
お母さんに、なにか素敵なものをプレゼントすることにしました。
宝箱を開いてプレゼントを探しますが、どれも違う気がします。
その時、窓からでっかいネコが入ってきました。
そのネコはニャーチカと言い、素敵なものを探しているのだそう。
ニャーチカに誘われ、ゆめちゃんとともくんは一緒にプレゼントを探しに行くことになりました。
ニャーチカが胸いっぱいに空気を吸い込むと・・・。
風船のようになって、空に飛び出しました。
でも、空にはプレゼントにさりそうなものはありませんでした。
そこで今度は海の中を探してみることに。
ニャーチカのフワフワの毛の中には扉があり、そこに二人は入ります。
そして、ニャーチカが息を吐き出すと・・・。
なんと潜水艦になりました。
海の中でプレゼントを探していきます。
するとそこへ近づいてくるものが・・・。
それは大きくて暴れん坊のオバケイカ。
大急ぎで逃げ出します。
ニャーチカたちは無事に逃げ切れるのでしょうか。
姉弟はプレゼントを見つけることが出来るのでしょうか。
『ふしぎなニャーチカ』の素敵なところ
- 不思議過ぎる謎の猫ニャーチカ
- 美しい空の上や海の世界
- それぞれの見つけた素敵なもの
この絵本の魅力は何と言っても、不思議過ぎるニャーチカにあるでしょう。
急に現れる物凄く大きな猫。
シルクハットに蝶ネクタイも気になります。
しゃべり方も紳士的です。
おまけに風船になったり、潜水艦になったりと不思議な力も持っています。
気になることがあり過ぎますが、どれ一つ秘密は明かされません。
ニャーチカは最初から最後まで不思議なのです。
だからこそ魅力的で、「自分の家へもひょっこり現れるかも・・・」という気持ちにさせてくれるのでしょう。
そんなニャーチカとの冒険は夢に溢れています。
空を飛んだり、海に潜ったり・・・。
こんなことしてみたいなということが詰まっています。
子どもたちも、
「いいな~、空飛んでみたいな~」
「俺も潜水艦乗りたい!」
「ぼくはサメを見つけるんだ」
と、自分が冒険する時のことを思い浮かべていました。
特に海の中の世界は幻想的で美しく、一枚の絵画のよう。
差し込む光や海の中の生き物たちが、本当の宝石のように輝いていて、ずっと見ていたくなってしまいます。
子どもたちも「これならプレゼント見つかりそう!」「貝殻とかいいんじゃない!」と、宝物があるのを確信しているようでした。
さて、冒険の中で見つけた素敵なもの。
それは意外なものでした。
それが姉弟とニャーチカで別々なのも素敵なところ。
「素敵なもの」にも、色々な形があることを感じさせてくれるのです。
美しい絵で描かれる、不思議で魅力的な冒険。
読めば不思議なニャーチカに会ってモフモフしたくなる不思議な絵本です。
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