おとうさんのえほん(5歳~)

絵本

作:高畠純 出版:絵本館

子どもと関わる、動物たちのお父さん。

思うようにいくことも、思うようにいかないことも。

なんだかとっても「お父さんらしい」4コマ絵本です。

あらすじ

ゴリラのお父さん。

ダンベルを「よいしょ!」と上げて筋トレ中。

そこに子どもがやってきた。

ダンベルの代わりに、子どもを「よいしょ!」

ペンギンのお父さん。

子どものために、雪だるまを作ります。

完成したので、子どもを呼ぶため目を話すと、雪だるまの頭がゴロン・・・。

子どもが来た時には横向きの雪だるまになっていました。「あれ?」

しろくまのお父さん。

奥さんと子どもを置いて出かけます。

出先で遊んでいるラッコの親子を発見。

家に帰るとラッコの真似して、子どもと遊ぶのでした。

ワニのお父さん。

二匹の子どもを連れたワニのお父さん。

通りすがりに、子どもをおんぶするコアラに会って、あいさつします。

さらに行くと、お腹の袋に子どもを入れるカンガルーにも会って、あいさつします。

それを見ていたワニの子どもたち。

お父さんのお腹と背中にくっつきました。

他にもたくさんのお父さんが出てきます。

『おとうさんのえほん』の素敵なところ

  • 自分のお父さんと重なる動物のお父さん
  • お父さんの気持ちを想像する面白さ
  • 「お父さんらしいな」という感覚

この絵本では動物のお父さんが出てきますが、妙に自分のお父さんと重なる部分を感じます。

動物のお父さんは、動物らしい行動を取っているのですが、なぜか通じるものがあるのです。

それはきっと、お父さんの心なのでしょう。

子どもよりお母さんの話を聞いていなかったり、急に遊んでくれたり、やる気はあるけど失敗したり。

その中身が、自分のお父さんに通じるものがあるからなのだと思います。

そんなお父さんの行動は4コマで描かれます。

言葉での説明はありません。

4コマだからこその、間や流れで表現されています。

だからこそ、お父さんの気持ちや、本当はやりたかったことが想像出来て面白いのです。

雪だるまが完成して、ワクワクしながら子どもを呼ぶペンギンのお父さん。

子どもをびっくりさせようと、物陰に隠れるヒツジのお父さん。

しかし、上手くいかない現実。

それに直面した時の、お父さんたちの反応。

「せっかく雪だるま作ったのにね・・・」

「子どもが行っちゃってさみしそうだね・・・」

と、お父さんの気持ちを察する子どもたち。

この行間を想像する面白さは、4コマならではだと思います。

さて、そんなお父さんの絵本ですが、なにがお父さんらしいのかを言葉にするのは難しいです。

でも、確実に「お父さんらしさ」に溢れています。

一生懸命だけど、ちょっと抜けている。

子どもより子どもみたいな姿。

威厳を出しつつも、器が小さいところもある。

気まぐれだけど、やっぱり子どもを愛している。

そんなお父さんの行動が集まって、この絵本に「お父さんらしさ」を生み出しているのかもしれません。

動物のお父さんたちの、一生懸命な子どもに向きあう姿を4コマで描く。

何がとは言えないけれど、もの凄く「お父さんらしい」お父さんの絵本です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました