文:クレア・フリードマン 絵:ベン・コート 訳:中川ひろたか 出版:講談社
海賊がお宝よりも愛するもの。
それはなんとパンツです。
今日も伝説のパンツを求め、大海原へと漕ぎ出すのです。
あらすじ
海賊船「くろパンツごう」の海賊たち。
金色に輝く伝説パンツを求めて旅に出ます。
地図を見ながら航海し、パンツをはいたサメが見えたら、島が近い証拠です。
海賊たちは島に上陸するとすぐ、誰かの足跡を発見しました。
誰かが先に入り込んでいるようです。
崖を渡り、洞窟を抜け、ついに金のパンツを発見した海賊たち。
しかし、そこでは他の海賊たちが寝ていました。
どうやら先を越されたようです。
そこで海賊たちは、こっそりパンツのゴムを切ることに。
ですが、切っている途中、相手の海賊たちに気付かれてしまいました。
急いで金のパンツを奪って逃げる海賊たち。
金のパンツは一体誰の手に・・・。
『かいぞくはパンツがだいすき』の素敵なところ
- 怖い海賊×面白いパンツという組み合わせ
- パンツ要素を最大限に活かした物語
- パンツのゴムがどれだけ大切かを伝えてくれる
一般的に怖い代名詞の海賊が、子どもならみんな笑ってしまうパワーワード「パンツ」と組み合わさってしまいました。
これが面白くないはずありません。
タイトルを見ただけで「パンツだって~」とお腹を抱えて転げまわる子どもたち。
「なんで海賊がパンツほしいの!?」とさらに大笑い。
もう、表紙を見ただけで、子どもたちの期待度はマックスです。
もちろん、タイトルだけではありません。
内容だってパンツ尽くしです。
海賊船「くろパンツごう」には、旗の如くパンツが干されています。
サメもパンツをはいてるし、崖を渡るのには股引を橋にして使います。
極めつけは、相手のパンツのゴムを切るという攻撃。
なんてことをするのでしょう。
「なんでゴム?」と言っていた子どもたちも、切られた海賊の姿を見てその恐ろしさに気付きます。
パンツにとってゴムは生命線なのです。
そして、それは海賊たちだけの問題ではありません。
自分にも当てはまります。
ゴムの切れたパンツや、伸びきったパンツをはいているとどうなるか・・・。
考えただけでも恐ろしい。
そんな風に、子どもたちにパンツのゴムの大切さをしっかりと伝えてくれるのです。
パンツを求めて真剣に生きる海賊たちの姿やその冒険を通して、「パンツのゴムって大切だな」ということに改めて気づかせてくれる絵本です。
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