作:内田麟太郎 絵:荒井良二 出版:文溪堂
このおじさんは笑いません。
どんなに面白いダジャレを言われても笑いません。
なぜならこのおじさんは・・・。
あらすじ
あるところに、お月様の顔をしたおじさんがいました。
このおじさんは笑いません。
ニワトリが二わ、トリをかっていても。
ウサギが、ウとサギに威張っていても。
カメが、かめをかめないでいても。
このおじさんはなんで笑わないんでしょう?
それは・・・。
『うそつきのつき』の素敵なところ
- たくさん出てくるダジャレたち
- 気になり過ぎる笑わないおじさん
- ダジャレで明かされるおじさんの正体
この絵本にはたくさんのダジャレが登場します。
面白いのはこのダジャレが、少し高度なこと。
「布団が吹っ飛んだ」
のような勢いある一言ダジャレではなく、
「オオカミのおかみが、黒髪のおかみでも。」
のように、文章の中に散りばめられているのです。
これにより、「爆笑!」というよりも、「なるほど~」という面白さがあるのです。
でも、この絵本、ダジャレにばかり集中できません。
なぜなら、おじさんの存在が気になり過ぎるからです。
なにがあっても笑わないおじさん。
「このおじさんは笑いません」
と言うたびに、「なんで!?」と子どもの声が入ります。
ダジャレの面白さと、笑わないおじさんの謎に大忙しなのです。
そんなおじさんの正体は、最後に明らかにされます。
もちろん、これもダジャレです。
普通なら「変なの~」とか「ダジャレじゃん!」という子どもたちですが、「あ~、そういうことね!」と子どもたちも素直に納得。
ここまでたくさんのダジャレを見てきたことで、ダジャレ脳になっているみたいです。
最初から最後までダジャレ尽くしの内容に、すっかりダジャレが当たり前になってしまう。
静かで知的な面白さがあるダジャレの絵本です。
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