なすのぼうや(3歳~)

絵本

作:久住卓也 出版:ポプラ社

ナスのトレードマークと言えば、頭にちょこんと乗ったあの帽子。

ある日、その帽子が風に飛ばされてしまいました。

代わりに、色々な野菜の帽子を被ってみますが・・・。

あらすじ

今日もお気に入りの帽子を被り、遊んでいたなすのぼうや。

ところが、風で帽子が飛ばされてしまいました。

あちこち探しましたが、帽子は見つかりません。

その姿を見て、トマトお姉さんが声をかけてくれました。

事情を話し、二人で探しましたが見つかりません。

そこで、トマトお姉さんは自分の帽子を貸してくれました。

でも、なすのぼうやは、「やっぱり自分の帽子がいいな」と思いました。

そこへキュウリのお兄さんが通りかかりました。

トマトの帽子を見ると、「かわいいけど、ちょっと物足りない」と言って、キュウリのお兄さんのクルクル帽子をかぶせてくれました。

でも、なすのぼうやは「やっぱり自分の帽子がいいな」と思いました。

すると、上から見ていたトウモロコシの兄弟が降りてきて、もしゃもしゃ帽子を貸してくれました。

さらにそこへマツタケ親分が通りかかり、自慢の帽子をなすのぼうやにかぶせてくれました。

でも、「やっぱり自分の帽子がいい」と、なすのぼうやはついに泣き出してしまいました。

しかし、その泣き声を聞いていたのは、昼寝をしていたアオダイショウ。

よく見ると、アオダイショウの頭に、なすのぼうやの帽子が乗っています。

なすのぼうやはアオダイショウに、自分の帽子だと伝えましたが、返してくれません。

それどころか、マツタケ親分の帽子まで奪おうとしてきました。

なすのぼうやは取られないよう、必死に帽子を掴みます。

と、その時・・・。

『なすのぼうや』の素敵なところ

  • 面白い形の野菜たちの帽子
  • まさかの解決法
  • やっぱり自分の帽子一番しっくりくる

この絵本の面白いところは、なすのぼうやが色々な野菜の帽子を被ってみるところでしょう。

それぞれの野菜の、特徴的なへたの部分や、傘の部分。

それを成すが被ってみる面白さ。

似合わなくはないけれど、なんだか違和感があります。

子どもたちも、帽子を被るたび大笑い。

「なんか変!」

「あんまり似合わないな~」

「けっこうかっこいい」

など、色々な声が出るのと同時に、

「イチゴなら似合うんじゃない?」

「ミカンはどうかな?」

と、他の帽子にも想像を広げていました。

絵本の中だけでなく、色々な野菜や果物の見た目にも、興味が広がっているようです。

さて、色々な帽子を被ってみても、しっくりこないなすのぼうや。

やっぱり自分の帽子がいいのです。

しかし、持っていたのは大きなアオダイショウ。

なすのぼうやでは、とても取り返すことが出来ません。

そんな時、助けてくれたのが意外なものでした。

予想外の展開に、子どもたちもびっくり。

真剣に成り行きを見守っていました。

そして、戻ってきた帽子。

これを被った時のスッキリ感。

「これだ!」という、パズルのピースがはまった時のような感覚。

これが、この絵本の一番素敵なところなのかもしれません。

子どもたちも、

「やっぱりこれが一番似合うよね~」

と、納得の様子。

「なすってやっぱりこれだね!」

という空気感が素敵です。

野菜の帽子を取りかえる面白さを通して、野菜への興味が広がる。

そして、元の帽子が一番しっくりくることも再認識させられる絵本です。

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