作・絵:内田麟太郎 出版:すずき出版
画面に出てくる音、色、形。
それらの一体感がとっても楽しい。
なにが出てくるのかワクワクドキドキする絵本です。
あらすじ
黒い点が飛んできて・・・
「ぴぽん」
と、黄色い丸にくっついた。
と思ったら、
「ぴ」
「ぴぽん」
と、二つに分裂。
さらに、
「たと」
二つの丸の間に茶色い三角。
まるで、目と鼻みたい。
その下に、
「の~」
っと、赤い波線が伸びてきた。
これは口みたい。
丸の上に、
「ととん」
「とん」
と、丸の上に、水色の長四角が一本ずつ。
眉毛みたいに見えて、ますます顔みたいになってきた。
次に出てくるのは・・・。
『ぴぽん』の素敵なところ
- 音と形の一体感
- 段々顔が出来上がってくる面白さ
- 気持ちを爆発させる気持ちよさ
この絵本の、とても気持ちよく素敵なところは、音と形の一体感でしょう。
「ぴぽん」
は何かが現れるような感じ。
「む~」
は波打つ感覚。
など、画面に現れる形と、音が気持ちよくリンクするのです。
見ていると、まるで自由に絵を描いているような気持ちよい感覚を味わうことが出来るのです。
また、自然と指を動かしたくなるのも面白いところ。
「ぴぽん」
と言われると、丸を指でツッツキたくなる。
「む~」
と言われるとなぞりたくなる。
など、気付けば引き寄せられているのです。
言葉がしゃべれるようになると「まる!」「しかく!」「ぐにゃぐにゃ~」など、しゃべって、なぞって、さらに楽しくなってきます。
そんな、どんどん出てくる形ですが、見ていくと段々顔になってきます。
子どもたちも途中で気付き、
「目みたい」
「顔になってきた!」
「誰の顔かな?」
と、次の形が気になってきます。
この、ひとつずつ形が加わっていくのが、クイズのようで面白く、みんなワクワクしながら見ていました。
しかし、顔が完成したと思ったら、まさかの展開が待っていました。
まさかだけれど、とっても楽しい展開です。
画面の絵と音と一緒に、気持ちを思い切り爆発させられる瞬間。
声を思いきりだし、体全体で表現できる瞬間です。
そして、最後は優しくて、温かい音。
この起伏が色んな気持ちを表現でき、とっても楽しいものになっています。
音と絵の一体感によって、思わず言いたくなる、動きたくなる。
たくさんの興味や気持ちが溢れ出てくる絵本です。
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