くさむらのかくれんぼ(3歳~)

絵本

作:今森光彦 出版:福音館書店

葉や花びらに透ける影。

まるでかくれんぼをしているみたい。

隠れている虫を見つけられるかな?

あらすじ

細い葉っぱに、何かの影が透けている。

隠れているのは誰だろう?

隠れていたのはバッタ!

次は大きな葉っぱに隠れた影。

少し透明な羽が見えている・・・。

隠れていたのはトンボ!

次は花びらに映る影。

かくれんぼしている虫が、全部わかるかな?

『くさむらのかくれんぼ』の素敵なところ

  • 写真を使った草むらでのリアルかくれんぼが見られる
  • 有名な虫たちの中に紛れるマニアックな虫
  • 一匹一匹の虫たちが近くでよーく見られる

この絵本は写真を使ったかくれんぼ絵本です。

本当に草むらで隠れている虫の姿を、見ることが出来ます。

瑞々しい植物と、鮮明に映る影を見ながらの虫探しというだけでも、とても魅力的。

あまりの綺麗さに、虫より葉や花に目を奪われてしまうこともしばしばです。

そこに隠れている虫は、どれも身近なものばかりなのも素敵なところ。

バッタ、トンボ、アリなど、みんな知っていて、捕まえたことがあったり、見たことがあるからこそかくれんぼが盛り上がります。

よく知った友だちと、かくれんぼをする感覚になるのです。

影の他に、少しだけ体や羽が見えているのも、楽しいポイント。

「ちょっと見えちゃってるよ~」

と、虫たちのおちゃめっぷりにも、愛着が湧いているようでした。

そんな中、一匹マニアックな虫が入っています。

それまで、簡単だと思っていた子も、急に真剣な表情に。

「これなんだ・・・?」

と、本気で考えます。

これがとてもいいアクセント。

答えを見てもわからない子が多数な虫に、「意外と難しいかも」と一度姿勢を正します。

さて、そんなかくれんぼがとても魅力的な本ですが、実はそれだけではありません。

見つかった後の虫が、ページいっぱいに登場し、じっくり見られるのも素敵なところです。

自然に生きる生命力抜群の虫。

その息遣いを感じるような姿は、図鑑で見るのとは違う感動があります。

きっと、身近なよく知った虫の姿ということもあるのでしょう。

葉っぱを足先で器用に掴んでいる所や、体の形、触覚の模様まで、鮮明に見ることが出来るのは新鮮な驚きがあります。

トンボなどは体の毛まで見えていて、

「トンボって毛が生えてるんだ!?」

と、驚きの声も上がっていました。

自然の中の楽しいかくれんぼを通して、自然と虫に興味を持てる。

虫探しと、観察がいっぺんに出来る、写真だからこその贅沢な絵本です。

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