みる(5歳~)

絵本

文:谷川俊太郎 絵:高橋常政 出版:復刊ドットコム

自然とやっている「見る」。

でも、深堀していくと、実は不思議が詰まってる。

さあ、色んな「見る」を体験してみましょう。

あらすじ

見てみよう。

なんだか暗すぎて、よくわからない影。

明かりをつけて見てみたら、ゴリラだった。

なんだろう。

目の間に広がる、一面の青。

遠くから見て見たら、地球だった。

なんだろう。

小さすぎて、点にしか見えない。

虫眼鏡でよく見たら、ノミだった。

なんだろう。

近すぎてよくわからない形。

離れて見たら、ゴリラがコップで飲んでいた。

なんだろう。

空を走る、光の点。

望遠鏡で見て見たら、UFOだった。

なんだろう。

速すぎて見えない、何かが通った様な跡。

スローモーションで見て見たら、空を飛ぶスーパーマンだった。

見てみよう。

見てみよう。

色んなものを見てみよう。

『みる』の素敵なところ

  • 色んな「見る」を体験できる
  • 「見る」と生活の繋がりにも気づかせてくれる
  • 言葉とのつながりも面白い

この絵本は「見る」絵本。

色々な「見る」を体験できます。

その「見る」の軸は様々。

時間が経つと咲いていく花の変化。

レントゲンで見るバッグの中身。

動物が隠れているだまし絵。

など、距離、時間、速度、明るさ、錯覚、向き・・・。

色々な要素の「見る」が詰め込まれています。

普段当たり前に見ているけれど、実は色んな「見る」をしていることに気付かされるのです。

でも、この絵本では「見る」だけでは終わりません。

「見る」と生活とを、結び付けてくれます。

例えば、道路標識。

見るだけで、曲道、止まれ、駐車場、進入禁止など、言われなくてもわかります。

他にも、「見る」が仕事になっている人もいます。

画家、カメラマン、審判、歯医者などなど。

それにより、自分も普段見てもらっていることに気付きます。

同時に、見ることの重要さや、面白さにも。

さらに、この絵本は言葉の中に入った「見る」も、見つけてしまいます。

相手の姿を見に行く「見舞う」。

見て真似る「見習う」。

実は言葉の中に結構隠れている「見る」にも気づかせてくれるのも、この絵本の素敵なところです。

当たり前すぎて、自然にやっている「見る」。

色んな「見る」を見ることで、その深さや広さや面白さに気付かせてくれる絵本です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました