文:谷川俊太郎 絵:高橋常政 出版:復刊ドットコム
自然とやっている「見る」。
でも、深堀していくと、実は不思議が詰まってる。
さあ、色んな「見る」を体験してみましょう。
あらすじ
見てみよう。
なんだか暗すぎて、よくわからない影。
明かりをつけて見てみたら、ゴリラだった。
なんだろう。
目の間に広がる、一面の青。
遠くから見て見たら、地球だった。
なんだろう。
小さすぎて、点にしか見えない。
虫眼鏡でよく見たら、ノミだった。
なんだろう。
近すぎてよくわからない形。
離れて見たら、ゴリラがコップで飲んでいた。
なんだろう。
空を走る、光の点。
望遠鏡で見て見たら、UFOだった。
なんだろう。
速すぎて見えない、何かが通った様な跡。
スローモーションで見て見たら、空を飛ぶスーパーマンだった。
見てみよう。
見てみよう。
色んなものを見てみよう。
『みる』の素敵なところ
- 色んな「見る」を体験できる
- 「見る」と生活の繋がりにも気づかせてくれる
- 言葉とのつながりも面白い
この絵本は「見る」絵本。
色々な「見る」を体験できます。
その「見る」の軸は様々。
時間が経つと咲いていく花の変化。
レントゲンで見るバッグの中身。
動物が隠れているだまし絵。
など、距離、時間、速度、明るさ、錯覚、向き・・・。
色々な要素の「見る」が詰め込まれています。
普段当たり前に見ているけれど、実は色んな「見る」をしていることに気付かされるのです。
でも、この絵本では「見る」だけでは終わりません。
「見る」と生活とを、結び付けてくれます。
例えば、道路標識。
見るだけで、曲道、止まれ、駐車場、進入禁止など、言われなくてもわかります。
他にも、「見る」が仕事になっている人もいます。
画家、カメラマン、審判、歯医者などなど。
それにより、自分も普段見てもらっていることに気付きます。
同時に、見ることの重要さや、面白さにも。
さらに、この絵本は言葉の中に入った「見る」も、見つけてしまいます。
相手の姿を見に行く「見舞う」。
見て真似る「見習う」。
実は言葉の中に結構隠れている「見る」にも気づかせてくれるのも、この絵本の素敵なところです。
当たり前すぎて、自然にやっている「見る」。
色んな「見る」を見ることで、その深さや広さや面白さに気付かせてくれる絵本です。
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