すすめ!かいてんずし(4歳~)

絵本

作:岡田よしたか 出版:ひかりのくに株式会社

見るのも食べるのも楽しい回転ずし。

そのレーンが、迷路のように曲がりくねって、お店の外まで続いていたら・・・。

回転ずしたちの大冒険が始まります。

あらすじ

回転ずしやで、お寿司を乗せて、レーンが動き出しました。

醤油さしや、たい焼きを乗せた寿司も回っていますが、気にせずレーンは動きます。

進んでいくと、お寿司はあることに気付きました。

レーンが店内を迷路のように走っているのです。

2階建てレーンに、リフト、さらにはトンネルまで・・・。

そして、トンネルを抜けると、なんとお店の外に続いていました。

ジャングルの中をレーンが進んでいくと、そこには猛獣たち。

お寿司は食べてもらいたいけれど、やっぱり怖いのは嫌みたいです。

ジャングルを抜けると、そこは崖。

断崖絶壁をレーンは進んでいきます。

さらに踏切、銭湯、海へとレーンは続いていきました。

海に着くと、ネタたちは懐かしのあまり、海の中へジャボン。

シャリたちに別れを告げ、海の中へと泳いでいき、魚たちとの再会を果たしたのでした。

一方、シャリたちはレーンに揺られ、ついにお寿司屋さんに帰ってきました。

しかし、ここで困ったことが。

ネタが乗っていないので、誰も食べてくれないのです。

シャリたちは一体どうするのでしょう・・・。

『すすめ!かいてんずし』の素敵なところ

  • ネタがてんこ盛り過ぎる
  • ネタの本来の姿がわかる
  • コントのような最後のオチ

この絵本はネタが詰め込まれ過ぎていて、ツッコミが全く追いつきません。

関西弁のお寿司たちによる、ハイスピードなボケが次々に繰り出されます。

一ページ目から、醤油さしがシャリに乗っていて、次のページはたい焼き寿司。

もう、最初からフルスロットルです。

子どもたちも、始まった瞬間に、

「あれ、お醤油入れるやつだよ!食べられないよ!」

「たい焼きが乗ってる~!」

と、即座に対応に迫られます。

ですが、さらに畳みかけてきます。

レーンが二階建て、リフト、トンネル・・・。

さらには店の外へ。

「外出ちゃったよ!」と、もちろん総ツッコミです。

その後も、崖で落ちそうになったり、風呂に浸かってみたり・・・。

海に飛び込み、泳ぐネタたちはシュールの極みです。

大きなボケから、小さなボケが、最初から最後まで止まらず、笑いと驚きとツッコミを絶やさないのが、この絵本の素敵なところです。

さて、海に飛び込んだネタたちは、海で生きている魚たちの元へ帰ってきます。

これが、切り身や海苔になる前の姿と、見比べることが出来て面白いのです。

ネタでは名前を知っていても、本来の姿を知らない子も多いでしょう。

切り身になる前は、どんな魚や海藻だったかがわかる、いい機会になると思います。

たい焼きと醤油さしが、鯛と対面しているのはご愛敬です。

そして、ネタ満載だったこの絵本も、いよいよ最後の場面です。

そこでは綺麗なオチを見せてくれます。

まるでコントの終わりのような綺麗なオチ。

その後に「もうええわ!ありがとうございましたー!」と聞こえてきそうなほどです。

ネタ尽くしだった、このお話をバッチリスッキリ終わらせてくれるのが、終わりよくてとても素敵なところです。

お寿司のネタだけに、ネタがこれでもかと詰め込まれた回転ずしの大冒険。

最初から最後まで、笑いっぱなし、ツッコみっぱなしの絵本です。

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