作:岡田よしたか 出版:ひかりのくに株式会社
見るのも食べるのも楽しい回転ずし。
そのレーンが、迷路のように曲がりくねって、お店の外まで続いていたら・・・。
回転ずしたちの大冒険が始まります。
あらすじ
回転ずしやで、お寿司を乗せて、レーンが動き出しました。
醤油さしや、たい焼きを乗せた寿司も回っていますが、気にせずレーンは動きます。
進んでいくと、お寿司はあることに気付きました。
レーンが店内を迷路のように走っているのです。
2階建てレーンに、リフト、さらにはトンネルまで・・・。
そして、トンネルを抜けると、なんとお店の外に続いていました。
ジャングルの中をレーンが進んでいくと、そこには猛獣たち。
お寿司は食べてもらいたいけれど、やっぱり怖いのは嫌みたいです。
ジャングルを抜けると、そこは崖。
断崖絶壁をレーンは進んでいきます。
さらに踏切、銭湯、海へとレーンは続いていきました。
海に着くと、ネタたちは懐かしのあまり、海の中へジャボン。
シャリたちに別れを告げ、海の中へと泳いでいき、魚たちとの再会を果たしたのでした。
一方、シャリたちはレーンに揺られ、ついにお寿司屋さんに帰ってきました。
しかし、ここで困ったことが。
ネタが乗っていないので、誰も食べてくれないのです。
シャリたちは一体どうするのでしょう・・・。
『すすめ!かいてんずし』の素敵なところ
- ネタがてんこ盛り過ぎる
- ネタの本来の姿がわかる
- コントのような最後のオチ
この絵本はネタが詰め込まれ過ぎていて、ツッコミが全く追いつきません。
関西弁のお寿司たちによる、ハイスピードなボケが次々に繰り出されます。
一ページ目から、醤油さしがシャリに乗っていて、次のページはたい焼き寿司。
もう、最初からフルスロットルです。
子どもたちも、始まった瞬間に、
「あれ、お醤油入れるやつだよ!食べられないよ!」
「たい焼きが乗ってる~!」
と、即座に対応に迫られます。
ですが、さらに畳みかけてきます。
レーンが二階建て、リフト、トンネル・・・。
さらには店の外へ。
「外出ちゃったよ!」と、もちろん総ツッコミです。
その後も、崖で落ちそうになったり、風呂に浸かってみたり・・・。
海に飛び込み、泳ぐネタたちはシュールの極みです。
大きなボケから、小さなボケが、最初から最後まで止まらず、笑いと驚きとツッコミを絶やさないのが、この絵本の素敵なところです。
さて、海に飛び込んだネタたちは、海で生きている魚たちの元へ帰ってきます。
これが、切り身や海苔になる前の姿と、見比べることが出来て面白いのです。
ネタでは名前を知っていても、本来の姿を知らない子も多いでしょう。
切り身になる前は、どんな魚や海藻だったかがわかる、いい機会になると思います。
たい焼きと醤油さしが、鯛と対面しているのはご愛敬です。
そして、ネタ満載だったこの絵本も、いよいよ最後の場面です。
そこでは綺麗なオチを見せてくれます。
まるでコントの終わりのような綺麗なオチ。
その後に「もうええわ!ありがとうございましたー!」と聞こえてきそうなほどです。
ネタ尽くしだった、このお話をバッチリスッキリ終わらせてくれるのが、終わりよくてとても素敵なところです。
お寿司のネタだけに、ネタがこれでもかと詰め込まれた回転ずしの大冒険。
最初から最後まで、笑いっぱなし、ツッコみっぱなしの絵本です。
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