作:きむらゆういち 絵:西内としお 出版:世界文化社
好きなものを、挟んで作るサンドイッチ。
何を挟んだら、美味しいサンドイッチが出来るのでしょう?
楽しい仕掛けで、本当にサンドイッチを作っている気分になれる絵本です。
あらすじ
ウサギのしろとももは、広場でカフェを開くことにしました。
二人は、飲み物だけではなく、サンドイッチも出すことに。
そこで、野ネズミのコックさんに、作り方を聞きに行きました。
まず、パンにバターを塗って、
レタスを敷いて、
ハムとチーズをたっぷりのせて、
パンで挟んで、三角に切れば出来上がり。
と、丁寧に教えてくれました。
二人は美味しいサンドイッチを食べながら思いました。
「自分たちの大好きなものを入れたら、もっと入れたら美味しくなるぞ」と。
さあ、いよいよカフェのオープンの日。
森の友だちがたくさん来て、サンドイッチをもらいます。
ところが、一口食べたとたん、みんながっかり。
中身が全部ニンジンだったのです。
そこへ野ネズミのコックさんがやってきて、
「チーズサンドはないのか?」
と、怒りました。
リスの子も、
「ぼくの好きなドングリのサンドイッチはないの?」
と、言いました。
それを聞いて、二人は大切なことに気が付きました。
そして・・・。
『せかいいちのサンドイッチ』の素敵なところ
- サンドイッチを作れる楽しい仕掛け
- 世界一のサンドイッチを作るには・・・
- 最後に待っている驚きのサンドイッチと仕掛け
この絵本の面白いところは、本当にサンドイッチを作れるところです。
野ネズミのコックさんが、作り方を教える場面。
バターを塗った後、小さいページをめくります。
すると、今度はレタスが敷かれます。
さらにめくると、ハムとチーズ。
そして、パンを乗せて、包丁を入れます。
というように、工程ごとに小さなページになっていて、ページをめくることで、本当に重ねていっている気分になれるのです。
これが楽しく、最初は野ネズミのコックさんに言われた通り作っていた子も、自分の好きなものを挟みはじめ、いつの間にか自分流のサンドイッチを完成させています。
そこだけで、一つの絵本みたいに楽しめるのです。
ですが、世界一のサンドイッチを作るとなると、一筋縄ではいきません。
たくさんのお客さんみんなを、満足させられるサンドイッチはどんなものなのでしょう。
自分たちの、好きなものを入れてもダメでした。
じゃあ、何を入れたらいいのか?
それに気付くウサギたちの姿から、「世界一」という、言葉に隠された思い込みや、先入観に気付かせてくれるのも、この絵本の素敵なところです。
さて、世界一のサンドイッチを作れるようになったウサギたちに、大きな注文が舞い込みます。
絵本の最後を飾るサンドイッチは、物凄いものでした。
その物凄さを表現するための、仕掛けもすごい。
思わず、「お~!」「これ食べられるの!?」と言わせるほど。
とても、盛り上がって、この絵本は終わります。
楽しい仕掛けで、サンドイッチを作ったり、すごいサンドイッチが出てくるのが面白い絵本。
でも、それだけじゃなく、「世界一」のサンドイッチを作るための、大切なことへも気付かせてくれる絵本です。
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