なつはぐんぐん(4歳~)

絵本

作:五味太郎 出版:小学館

夏を一言で表すと・・・。

それは「ぐんぐん」。

嘘だと思うなら、この絵本を見てみてください。

あらすじ

寝ている子に、「ぐんぐん」と夏の音が聞こえてきた。

外に出ると、花や豆の木が「ぐんぐん」大きくなっている。

空には白い雲が「ぐんぐん」伸びる。

お日さまも「ぐんぐん」大きく明るく照らす。

夏は友だちと、「ぐんぐん」遊ぶ。

ボートを「ぐんぐん」膨らませ、海へ「ぐんぐん」漕ぎ出す。

街が「ぐんぐん」遠くなる。

でも、街が見えなくなると、心細くなって・・・。

『なつはぐんぐん』の素敵なところ

  • 「ぐんぐん」の一言で表される夏
  • 夏ならではのものに気付く
  • 色々な夏の「ぐんぐん」を探したくなる

この絵本では、夏ならではのものを「ぐんぐん」という言葉で表現していきます。

伸びる草木。

入道雲。

照り付ける太陽。

どれも、さまに「ぐんぐん」と言った様子で、納得してしまいます。

夏の溢れる生命力を、「ぐんぐん」という一言に、見事に凝縮しているのです。

見ている子も、

「確かに、雲おっきいもんね!」

「夏野菜もぐんぐん伸びてる!」

と、「ぐんぐん」を実感しているみたいでした。

そんな表現の面白さと一緒に、夏ならではのものに気付くきっかけになるのも、この絵本の素敵なところです。

夏は雲が大きくなったり、太陽が光り輝いていたり、水遊びが楽しかったり。

そんな当たり前過ぎて、素通りしてしまいそうなことを、立ち止まって考える機会になるのです。

全部、夏ならではなことに気付くと、他にもたくさん出てきます。

スイカ、夏休み、プール、浮き輪。

夏の楽しいことをたくさん見つけ、より夏が楽しみになって、ウキウキしてくるのです。

さて、夏ならではなことに気付くと、そこから「ぐんぐん」なものも探したくなってきます。

絵本に出てきていない「ぐんぐん」。

「あ、ご飯もぐんぐん食べたくなる!」

「ぐんぐん泳げる!」

「背もぐんぐん大きくなるよ!」

と、他の「ぐんぐん」にも繋がっていきます。

「ぐんぐん」を通して、言葉を考えることで、言葉や表現の面白さを味わえるのが、この絵本のとっても素敵なところです。

夏を「ぐんぐん」の一言で表現してしまう。

夏の楽しさと、言葉の楽しさ、両方を思い切り楽しめる絵本です。

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